電車で他人のタブレットを壊してしまった。そんなときどうする?




コーヒーをうっかりこぼして誰かをヤケドさせてしまったり、ぶつかった拍子に他人のノートPCを壊してしまったり、日常生活で予期せぬ事態は誰にでも起こりえます。そんなとき、賠償責任を補償してくれるのが個人賠責保険(個人賠償責任保険)です。注意点やおすすめの加入方法などについて、保険のスペシャリストであるファイナンシャルプランナーの金子秀人さんに教えてもらいました。



■想定外の個人的な事故をフォローしてくれる保険



――個人賠償責任保険とは、どんなときに役立つ保険ですか?



「個人賠償責任保険とは、お仕事中や自動車、船舶、航空機等の運転に起因しない日常生活中の賠償事故を補償する保険です。つまり、他の人の持ち物を壊してしまったり、お店のディスプレイを壊してしまったり、自転車で人にぶつかって怪我をさせてしまったりしたときに補償してくれる保険です」(金子さん)



――どのようにすれば入れるのですか? 海外旅行保険のように、クレジットカードに付帯している保険もあるといいのですが……。



「現在は、各保険会社とも個人賠償責任保険を単体では販売していないので、火災保険や自動車保険、積立傷害保険の特約(オプション)として付帯していただく形になります。また、クレジットカードによっては付帯していますが、その場合も有料オプションサービスで契約する形がほとんどです」



私事ですが、筆者は、電車の網棚から落ちてきたアタッシュケースにノートPCを壊されたことがあります。このときの加害者が、たまたま保険会社にお勤めの方。スムーズに損害を補償していただけました。逆の立場であったらと考えると気になる保険です。



■同居の親族も自動的に被保険者となる



――仕事中は適用外というところが気になります。例えば、通勤途中は仕事中なのでしょうか?



「それは労災保険の考え方ですね。確かに労災保険では、通勤途中は仕事中だとみなします。けれども、個人賠償責任保険は、通勤途中はプライベートだと考えます(仕事をしながら移動している場合を除きます)。つまり、通勤中にも保険が適用されるのです。ランチ休憩中の事故も補償対象になるんですよ」



――保険の種類によって、言葉の定義がいろいろなのですね。



「また、個人賠償責任保険は、契約者本人だけではなく、同居の親族も自動的に被保険者となるのが特徴です。さらには、散歩中の犬が他人にけがをさせたときの治療費、明確な証拠があれば猫が隣家の壁を破壊したときの修繕費など、ペットの過失も補償してくれます」



調べてみたところ、各社の個人賠償責任保険は、月数百円が相場のようでした。また、個人賠償責任保険は、水漏れで下のフロアに損害を与えた場合の補償にもなるので、マンションにお住まいの方は既に加入しているケースが多いそうです。火災保険にご加入の方は、まず契約内容をチェックしてみてはどうでしょうか。



■万が一のときは、独断で判断しないこと



――ほかには、何か注意したほうがいいことはありますか?



「他人から貸してもらっているときに壊したものは対象になりません。例えば、他人にぶつかってノートPCを故障させた場合は補償対象になりますが、ノートPCを借りているときに壊してしまったときは補償してもらえません。同居の親族に対する賠償事故も補償対象外になります」



――最後にメッセージをお願いいたします。



「実際に事故に遭遇したときは、損害を与えた相手と独断で交渉を進めるのではなく、まずは、保険会社や保険を販売した代理店に相談することが大切です。約款の規定上、示談交渉はできませんが、不必要なトラブルを避けることにつながります」



金子さん、今回もどうもありがとうございました!



■取材協力



金子秀人損害生命保険事務所 ファイナンシャルプランナー 金子秀人さん

http://www.kaneko-sompo.jp/



(OFFICE-SANGA 臼村さおり)