達人・森永卓郎氏が指南する「株主優待」超得ガイド

写真拡大

モリタクの愛称で知られる経済評論家の森永卓郎氏は、株主優待で「かなり得をしている」という達人。森永氏の?読み?とは!?

  株主優待の内容は頻繁には変わりません。株主へ長期間、安定的に提供することが求められるため、少々業績が落ち込んでも維持できる内容となっています。お得に株主優待を受けるには、株価が安い時期、つまり最低投資金額が低い時期に購入することに尽きます。同じ優待内容であれば、最低投資金額が低いほど、利回りは高くなるのです。この考え方は配当金狙いのケースも同様です。

 今、全体的に日本企業の株価は非常に割安な時期だと考えられます。多くの企業の株価は、企業が保有する工場設備や土地などの「資産」の8割程度の価値にしか評価されていません。つまり、全資産と比べて、2割引きで日本企業が買えるということです。

 この割安な状況が続いている背景には、欧州の債務危機や国内の消費税の引き上げ問題があります。今後、さらに株価が下がる可能性もあります。しかし、現状の水準から大きく下げるとは考えにくく、現状の株価が割安であることに変わりはありません。日本企業は、こうした現状に強い危機感を持っています。株価が安すぎると、海外の投資ファンドによって、株を買い占められてしまう可能性があるからです。その防止策として自社株買いや、株主優待を行なって個人株主を増やそうという動きがあるのです。

経済評論家 森永卓郎さん

経済企画庁、UFJ総合研究所主任研究員を経て、現在は獨協大学経済学部教授。保有する優待株は10銘柄を超える優待株投資の達人。

●買った株は一度も売却していない

 事実、昨年6月以降の1年間で、新たに株主優待をスタートさせた企業は約40社にのぼり、上場企業合計で1000社を突破しました。なかなか景気の回復が進まない中、企業が個人株主作りに積極的であることが理解できます。いろいろな優待が登場し、優待株投資の選択肢は増えてきました。

 株主優待を受けるためには、権利確定日と呼ばれる日に株主であることが条件。通常、企業の本決算日や中間決算日に該当します。9月末日は、多くの上場企業の中間決算日となっているため、今から優待企業をチェックして購入すれば、9月末日に確定する優待サービスに十分間に合います。

 私は随分前から株式投資をしてきましたが、すべて優待狙いです。買った株は1度も売却していません。毎年優待と配当金をもらった結果、株価が下落しても、通算ではかなり得をしています。長く持てば持つほどリスクが減らせる優待株投は、初心者にもうってつけの資産運用術です。

★達人が考える「今が買い時の理由」

1 株価が割安
株価が安いと、株式購入に必要な最低投資金額が低くて済む。最低購入金額が低いほど、優待利回りと配当利回りが高くなる。現在は、企業の実力を反映しておらず、株価は割安という。

2 優待実施企業が過去最高
企業の買収防衛策の一環として、個人株主作りのために株主優待を実施する企業が増加。上場企業全体で1000社を超える。その結果、お得な優待や変わった優待が増え、選択肢が豊富に。

3 権利確定月が間近
株主優待の権利を得るには、権利確定日に株主でいることが必要。企業の中間決算日にあたる9月末日は権利確定日が集中しており、9月は投資開始のタイミングとしては良い。

◎株式用語解説

【配当金】
企業が得た利益を株主に分配するお金。「3円」や「5円」など1株当たりの金額で示される。

【最低投資金額】
投資家が株式を購入するために必要な最低の金額。株価×単元株数で求められる。

【単元株】
株式の売買単位のこと。企業によって売買単位は異なっており、1株単位で売買できる株もあれば、1000株単位でしか売買できない株もある。株価が100円であっても、1単元株=1000株であれば、最低投資金額は100円×1000株=10万円となる。

【自社株買い】
株式会社が自社の株式を買い戻すこと。自社株買いは、株式価値の向上につながるため、利益還元策の一環とみなされるが、同時に、自社の株式が安いという市場に対するメッセージにもなっている。

【権利確定日】
株主優待を受けるためには、権利確定日に株主となっていることが必要。企業の本決算日や中間決算日が該当するケースがほとんど。日本企業は、3月決算・9月中間決算の企業が大多数のため、3月末日および9月末日に権利確定日が集中している。