失敗ばかりが頭に浮かぶ人のための“リスク回避法”

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 ビジネスの現場では「とにかく動く」ことが大切とされます。つまり、具体的な進捗がなければ、何もやっていないのと同じということであり、とにかく動くことで事態は何かしら進展するだろうと考えられているのです。

 しかし、とにかく動くにしても、「自分は何を、何のために、どうしようとして」動いているのかが分かっていなければ、具体的な動き方も、どの方向に進むも、決められないはずです。そして行動しては失敗を重ね、「何をやっても失敗してしまう」と思い込んでしまうようになるかも知れません。

 SAPジャパンにおいて、29歳で副社長補佐に抜擢され、35歳でチャネル営業を統括する責任者に就任するなど、世界を舞台にしながら結果を出し続けている金田博之さんは、著書『結果は「行動する前」に8割決まる』(日本実業出版社/刊)でデキる人とデキない人は、行動する前から違っていると指摘します。
 それは、到達するべき「結果」をまず設定か否か、ということ。つまり、デキる人は「行動」ではなく「結果」にこだわっているのです。そして、その「結果」を満たすためにどうすればいいのか、具体的な行動を考えます。

 しかし、これまで結果を出してきた人、つまり成功パターンを知っている人であれば、どう動けば「結果」が出せるのか知っていたり、直感的に完成イメージがわいたりするものですが、なかなか成果があげられていない人や、初めて対峙する事案についてはどうすればいいのか、具体的なイメージが思い浮かびません。
 そこで、金田さんは「プロトタイプ(試作)」を作成することを勧めます。

■完成イメージがまったくわかない人にとっての救世主?
 「プロトタイプ」は完成イメージと違い、いわゆる“試作”です。ですから、不備があるのが前提となります。
 そして、自分のイメージを紙に落としながら、「だいたいこんな感じ」というものを作り上げ、周囲から意見を集めます。特に新しい事業を立ち上げるなど、右も左も分からないようなときは、この周囲からのフィードバックが重要となります。こうして行動する前から、完成イメージに限りなく近い「プロトタイプ」を作成していくのです。
 一般的な若手ビジネスパーソンは、「経験不足」を「行動」で補いがちですが、それだけではなく、上司や他部署の先輩などにノウハウを聞き、蓄積していくことで、だんだんと完成イメージに近付くことができます。

■失敗リスクを抑えることもできる「プロトタイプ」
 また、「プロトタイプ」のもう一つのメリットは、不備がある前提が故に、完成前に何度も改良を加えることができ、失敗リスクを抑えられるという点です。
 今、自分のやろうとしていることにどのようなリスクがあるのか。そうしたことを周囲の人たちからのフィードバックで蓄積したノウハウを元に、リスクを最低限に抑え、成功に導くための「自分だけの必勝パターン」を作ることもできます。
 では、本書から、プロトタイプを作成する6つのステップを紹介しましょう。

1)思いつき・疑問・不満などアイデアをメモする
2)失敗事例から負けない方法を知る
3)成功要因から勝つ方法を考える
4)独自性を追求し、自社でやる理由を考える
5)フィードバックにより、思い込みをチェックする
6)数値化して期待値を明確にする


 この手法は、新しい事業や企画を立ち上げる際には特に有効だと言えます。新しいことをやろうと考えていたけれど、何をどうすればいいのか分からない、失敗ばかりが頭に浮かぶといったパターンから回避できるはずです。

 本書では他にもデキる人の「ベンチマーク」の仕方や、目標の立て方(ストレッチゴール)、コミットメントの方法、プレゼンテーションの作り方など、行動する前に必ずやっておければ成果に結び付くさまざまなノウハウが公開されています。

 金田さんは、こうした手法を海外の人たちと仕事を共にする中で学んできたといいます。「世界に目を向けて、日本で行動する」「海外の事例を知り、日本にあう形で実行する」、これはグローバルの時代の中で、必要不可欠な考えとも言えるでしょう。
 『結果は「行動する前」に8割決まる』は、“海外でも通用するビジネスパーソン”の考え方を知る上でも、参考になるはずです。
(新刊JP編集部)