安い物件を探す方法は? カスタマイズ賃貸に注目

写真拡大

安くていい物件を探したい……。

賃貸の部屋を探す人なら、誰しもそう願うのではないでしょうか。

そんな方法はあるのでしょうか。

「快適で安全な一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザー・穂積啓子氏にお話を伺いました。

■エレベーターがない+和室+古い=カスタマイズ賃貸の登場「安くていい物件? 条件を変えてみればいいのです」と話す穂積さんはまず、共益費が安くなるパターンとその理由について紹介します。

「賃料が安くなるパターンに、『エレベーターがない物件』があります。

賃料には家賃に加えて共益費が別途必要です。

共益費とは、ゴミの処理、廊下や玄関回り、照明など共有部分の使用に関する付加利用料のことですが、エレベーターの維持管理費もこれに含まれています。

エレベーターがないということは、共益費にその維持管理費が必要ないわけですから、当然、エレベーターがある物件よりも安くなります。

おおむね、類似条件のマンションより、3,000円〜5,000円は安くなるでしょう。

現在の法令では、エレベーターは6階以上の建物には必須ですから、エレベーターがないということは、5階建て以下の建物になります。

近年は3〜5階建ての物件にも設置されていることが多いので、エレベーターがない=築年数が経っていると想定できます。

古いということはベランダがない、浴室では旧式(バランス釜)のガス設備を使っているなどということもありますが、壁紙や廊下、フロアなどの内装がリフォームされている物件も増えています。

これらの情報をあらかじめ知っておくと探しやすいでしょう」(穂積さん)また、共益費の金額について穂積さんは、こう説明を加えます。

「共益費は、建物1棟にかかる諸経費を居住戸数で割り、1戸あたりの金額を算出します。

よって、1フロアーに1戸など戸数が少ない物件より、大型で入居者が多いマンションのほうが安くなる傾向にあります」次に、「和室タイプも安くなる」と穂積さん。

「和室だけの物件はこのごろあまり人気がないので、相場より賃料が10〜30%ほど低く設定されていることがあります。

こちらも築年数が経っているというパターンですが、都会では駅近くや中心地に建つ物件も多く、うまく出合えたら、近隣の相場より20%ほど安く街中に住めるということもあります」(穂積さん)さらに、古い物件を利用した「カスタマイズ賃貸」というスタイルが今、話題を呼んでいます。

「平成23年からUR都市機構が募集を始めてその呼称が広がったようです。

賃貸住宅でも、入居者が自分の好みでDIYやリフォームをしてもよいという新しい賃貸のスタイルが登場しています。

賃料は近隣の相場より安めで、そのうえ、退去時の原状回復の義務がありません。

カスタマイズ賃貸は今、20代を中心に人気で、古さを生かしたカフェ風の空間を自分で作る、アートが似合う部屋にするなど、自分好みの空間で暮らせることが魅力につながっていると言います。

築年数が古いがために空室が目立つ賃貸住宅で、本来、家主がリフォームするべきところを入居者にゆだね、賃料を下げて自由なライフスタイルを付加するという方法です。

UR賃貸では『DIY賃貸』と呼んで募集をかけていますが、2012年9月現在、『DIYのためのプランニング&DIY施行期間』として、家賃3カ月が無料というサービスを展開しています。

また、ウェブサイトで『カスタマイズ賃貸』と検索すると、多種多様な情報が出てきます。

ただし、この潮流を受けて、新しい部屋でも、『壁紙をあなた好みにカスタマイズできますよ』というサービスを開始した物件もありますので、カスタマイズ賃貸=安いだけ、とは限らないということもあります」穂積さんは、次のアドバイスも加えます。

「ほかに、『定期借家(ていきしゃっか)』と言って、期間限定の分譲賃貸住宅なら、同様の住宅にくらべて20%〜30%ほど家賃が割安になることがあります」「安い物件を探していたら、たまたまカスタマイズ賃貸というスタイルに出会った」という人が増えてきました。

余剰空室に安い予算でうまく楽しく暮らす方法。

その動向に注目したいものです。

監修:穂積啓子氏「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。

宅地建物取引主任者。

その活躍ぶりは、コミックエッセイ『不動産屋は見た! 〜部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子 東京書籍 1,155円)に描かれました。

同書の主人公「善良なる大阪の不動産屋さん」は、穂積氏がモデルです。

(藤井空/ユンブル)

続きを読む