糖尿病専門医に聞く。便秘のウワサを検証




便秘のときは生野菜を食べるとよい、水分を多めにとるに限る、甘いものを食べ過ぎると便秘になるなど、便秘に関するうわさをよく耳にします。

そこで、糖尿病専門医の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生にそれらの話が本当なのか、検証していただきました。



■炭酸水、オリーブオイルが効く



検証1 甘いものを食べ過ぎると便秘が悪化する?



福田先生 はい、悪化します。白砂糖をたっぷり使ったケーキやクッキーなどのスイーツをたくさん食べると、胃腸の動きが鈍くなる「糖反射」と言う反応が起きやすくなります。よって便秘になりやすいと言えます。



スイーツは、1日につき片方の手のひらに軽く乗るぐらいの分量に、例えば、小ぶりのシュークリーム1個ぐらいまでにしましょう。



検証2 食物繊維を取るほど、便秘解消につながる?



福田先生 実は食物繊維には、野菜や海草類、きのこ類に含まれる「水溶性」と、穀類や豆類に含まれる「不溶性」の2種類があります。



一方、便秘には、最も多く見られる大腸の動きが弱いことが原因の「弛緩(しかん)性便秘」、便の出口の直腸の神経が鈍い・トイレを我慢しやすい人に起こりやすい「直腸性便秘」、ストレスが原因で便秘と下痢を繰り返す「けいれん性便秘」の3種類があります。



このうち、弛緩性便秘は、水溶性、不溶性のどちらの食物繊維でも改善に向けて効果がありますが、けいれん性と直腸性の場合は、不溶性の食物繊維を取ると余計におなかが張って症状が悪化することがあります。自分のタイプを知って、適切な食物繊維を取るようにしましょう。



検証3 オリーブオイルが便秘の改善に効く?



福田先生 正解です。便が硬くなりがちなときには、油分を取ると便が腸管をするっと抜け出しやすくなります。いろいろな油があるなか、オリーブオイルなら、脂質や糖質の観点からしても健康維持に良いと考えられるのでお勧めです。1日につき、ティースプーンに2〜3杯ぐらいのオリーブオイルを取ってみてください。



検証4 朝食を抜いたほうが、腸が空っぽになって便秘解消につながる?



福田先生 間違いです。朝、昼、夜、と1日3食を規則正しく取ることで自律神経のバランスが取れ、ヒトの体を健康な状態にキープすることができます。朝食を抜くと、その規則正しさが損なわれ、自律神経が乱れることになり、かえって便秘になりやすいのです。



朝食を取ることで、朝の目覚めを体が感じ取り、食事の刺激で腸がぜん動(運動)を始めます。便秘の解消のためには、たとえヨーグルトだけ、バナナだけでもいいので、何かを食べるようにしましょう。そして、時間に余裕を持ってトイレに行く。通勤時には、ひと駅多くウォーキングをすることを習慣にすると、便秘の解消につながります。



「朝食は宝」と言います。朝食は便秘解消だけでなく、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)を調整して内臓脂肪がたまりにくい習慣にもつながるのです。



検証5 朝起きたらコップに1杯の水か炭酸水を飲むと便秘解消に良い?



福田先生 正解です。冷たい水、または無糖の炭酸水をコップ1杯程度飲むことをお勧めします。理由は、朝食を取ることが便秘解消によいのと同じです。冷たい水を飲むことで、腸が目覚めを感じ、ぜん動を開始します。



炭酸水は、血管を拡張し、腸の運動を活発にします。ただし、水も炭酸水も、飲み過ぎると食欲がなくなり、朝食を食べる気力が落ちますので、コップ1杯程度の適量を飲むようにしましょう。



――ありがとうございました。



伝聞だけで、これが良い! と思い込んでいたことを考え直すことができました。早速今日から実践します。







監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。医学博士。糖尿病専門医。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則 「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)、最新刊の『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)は、一般の人対象のヘルシーダイエットの実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。



(海野愛子/ユンブル)