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 大相撲秋場所(9月23日千秋楽)で、2場所連続15戦全勝優勝を果たした日馬富士(28=伊勢ヶ浜)が、24日の横綱審議委員会にて満場一致で横綱に推薦され、26日の番付編成会議と臨時理事会で、正式にその昇進が決定した。

 外国出身力士としては史上5人目、第70代横綱となった日馬富士は伝達式で、「謹んでお受けします。横綱を自覚して、全身全霊で相撲道に精進します」と口上を述べた。伝達式後の会見では、「今までよりもっと努力しようという気持ちが強くなった。ファンの皆さんに感動と勇気を与え、相撲をもっと好きになってもらえればいい。毎場所毎場所優勝して、いろんな記録をつくって、相撲協会のために盛り上げていきたい」と決意を語った。

 さて、24日付の記事では、日馬富士には好不調の波が激しい点、プレッシャーに弱い点、人気面などの不安要素があることを記した。本項では、それだけではない日馬富士の新たな不安要素に触れたい。

 まず、体格の問題。日馬富士は133キロと、来場所は幕内最軽量になる。横審や協会内でも不安視されているように、大型力士相手に、どう相撲を取っていくかがカギになる。貴乃花親方(元横綱)は、「体が一回り大きくなったが、体力の維持が必要になる。大型力士とやるときに、どんな相撲が取れるか考えてもらいたい」と語っている。大型力士との対戦が多ければ、肉体の消耗度も大きく、短命に終わってしまう危惧もある。

 そして、最大のネックは苦手力士との対戦を克服できるかだ。日馬富士の上位陣との対戦成績を見ると、大関・稀勢の里(26=鳴戸)には25勝14敗、大関・鶴竜(27=井筒)には17勝8敗と大きく勝ち越しているが、大関・把瑠都(27=尾上)とは14勝12敗、大関・琴欧洲(29=佐渡ヶ嶽)とは18勝17敗とほぼ互角。逆に横綱・白鵬(27=宮城野)には13勝22敗、大関・琴奨菊(28=佐渡ヶ嶽)には14勝25敗と苦しんでいる。意外なところでは、平幕の栃煌山(25=春日野)にも6勝6敗と苦戦している。

 白鵬にはこの3場所で3連勝を飾ったが、これらの苦手力士との対戦を克服し、互角力士には圧倒的有利としなければ、横綱の責任は果たせない。白鵬を見ると、大関相手でも圧倒的な対戦成績を誇っている。大関時代のように、「ふだんは1ケタの星でも、たまに優勝すればいい」というものではない。横綱は毎場所、常に優勝争いをしなければならず、日馬富士にはその辺の改善が急務となる。
(落合一郎)