渋谷はセンター街の入口にある大盛堂書店で行われた『ギャルと不思議ちゃん論 女の子たちの三十年戦争』松谷創一郎:著(原書房)の出版記念トークショーに行ってまいりました!
 
 本書の著者・松谷創一郎さんと評論家・宇野常寛さんとの特別対談。どんなお話が聴けるのか、期待が高まります!客席を見渡すと、女性で賑わっているのが印象的です。普段、男性客が多い人文書の刊行記念トークイベントですが、今日はなんだか雰囲気が違います。

 登壇されて第一声、「今日はギャルと不思議ちゃんがいっぱいで嬉しいです」という松谷さんに対し、「僕のトークイベントはたいてい男女比が9:1くらいなので、この時点で敗北感です」という宇野さんの応答からトークが始まりました。

 さて、映画批評やマーケティングリサーチを本業とされる松谷さんが、?ギャルと不思議ちゃん?をテーマに単著を執筆されたのはなぜなのでしょうか?

 「ファッション誌の仕事と、三浦展さんの研究所での仕事を同時期にやっていたことがあって、その経験が影響しています。それから、一度ブログで「ギャルと不思議ちゃん」というエントリーを書いたら、それを読んだ担当編集者から、「そのタイトルで一冊書きませんか?」と提案されて、いいタイトルだなと思って」

 物腰柔らかに語られる松谷さんですが、本書の中では?ギャルと不思議ちゃん?という切り口へのモチベーションが力強くつづられます。
 
 ギャルや不思議ちゃんについて個別に語った良書は多くあるが、この30年間の若い女性について総体としてはまとめられてこなかったこと。よって注視したのは、時代によって移り変わる若い女性たち同士の関係性であること。その関係性を?ギャルと不思議ちゃん?という切り口で描写したのが本書である、と。

 なるほど、ギャルでも不思議ちゃんでもない筆者ですが、本書を読んで「これは自分の問題だ!」と夢中で読み進めてしまったのは、そういうわけだったのですね。

 一方宇野さんは、熱い口調で語ります。「?ギャルと不思議ちゃん?というと、自意識上の生存戦略のために、極端なキャラクターを選んだ人たちのマニアックな文化圏の話に、表面上は見えるかもしれないけれど、実はもっと広がりがあると思う。この本を読んで見えてくるのは、ギャルと不思議ちゃんが勝っていく、メジャーになっていく歴史。戦後の大企業文化の衰退によって、赤文字雑誌は衰退しており、いまやエビちゃんに若い女性のキャラクターを代表させることはできない。これは産業構造や企業文化の変化と密接に関わっているんです。」

 そして話題は、現代の不思議ちゃん・きゃりーぱみゅぱみゅへ。「不思議ちゃんはいつも主流に対する傍流として存在してきたけれども、今、きゃりーぱみゅぱみゅに対して、主流になるものが思いつかない。あるとするならば、AKB?」という松谷さんに対し、「現代のアイコンを一人に凝縮するときゃりぱみゅで、一方?これだけ多様化している時代なのだから、システムはつくるから自分で選んで?というのがAKB、という関係性では?」と応答する宇野さんと、お二人ならではの軽妙なトークが繰り広げられました。

 「今まで論壇の世界でこういうことに関心を持つ人は少なかったけれど、この本に刺激を受けた人が、女子カルチャー論やファッション批評を立ち上げていってほしい」というお話も出ましたが、本書を皮切りに、新たなシーンが盛り上がっていくのでしょうか?今後の展開にも注目です!(S)



『ギャルと不思議ちゃん論: 女の子たちの三十年戦争』
 著者:松谷 創一郎
 出版社:原書房
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