元オリンピック・アスリートに聞く。正しいランニングスタイルとは?




ランニングブームと並んで、さまざまなウエアやアイテムが目を引きます。数ある中からどのようなスタイル、機能性などを選べばいいのでしょうか。



元オリンピック・ショートトラックスピードスケートの選手で、現在はウォーキング・ランニングアドバイザーとして活躍する勅使川原郁恵(てしがわら・いくえ)さんに、詳しいお話をうかがいました。



■タイツと5本指ソックスで足の負担を軽減



――ランニングウエアの選び方についてお教えください。



勅使川原さん まず注目してほしいのは、サポート力があるランニングタイツです。ひざや腰の負担を軽減してくれるので、フォームが崩れにくいというメリットがあります。特に初心者の方にはお勧めです。



インナーやTシャツの素材は、汗をかいても重くならず、汗冷えを防ぐ吸汗速乾性のタイプが必須です。



ウエアは、動きやすさを考えてストレッチ素材を選びましょう。ジーンズやルームウエアのジャージで走っている方を見かけますが、疲労感が増すだけなので避けてください。



――ソックスはどういうタイプを選べばいいでしょうか。



勅使川原さん 5本指ソックスをお勧めします。私はいつも履いています。かかとや母趾球(ぼしきゅう。足の親指の付け根)をサポートし、負担を軽減するタイプもあります。



靴下は汗をかいたらすぐに取り換えてください。ぬれた靴下を履き続けると、足がふやけて皮がむける原因になります。清潔な状態でいるためにも、マイソックスを持ち歩きましょう。



靴下を替えるときに、ストレッチをするといいでしょう。



――季節ごとのランニングスタイルについて教えてください。



勅使川原さん 春・夏は、直射日光を避けることが重要です。紫外線防止効果のあるTシャツやパンツ、キャップを使用すると体へのダメージを避けることができます。



少し肌寒い時期は、Tシャツの上に薄くて軽い素材のジャケットを着ます。途中で脱いだときに、小さくたためてポーチに入るタイプが便利です。



暑いときは通気性を考えて、脇などのポイントがメッシュ素材になっているウエアを選びましょう。



秋・冬は、風、雨、寒さから身を守るウエアが必要になってきます。ウインドブレーカーやナイロン素材で生地が厚い、保温性に優れたウエアを用意しましょう。



体の冷えはけがにもつながるので、保温のために、手袋、毛糸の帽子、ネックウォーマー、アームウォーマーなども寒さに応じて上手に使っていきましょう。



■ポケット付きウエアで手ぶらランニング



――ランニング時に手袋やサングラスは必要でしょうか。



勅使川原さん 強い紫外線を浴びると、いつも以上に体力を消耗しますので、サングラスでの紫外線対策は欠かせません。

手袋は、夏場に日焼け予防で使われている方も多いと思いますが、主に冬場の寒さ対策として使用したいアイテムです。



――最後に、勅使川原さんがランニング時に欠かさないアイテムを教えてください。



勅使川原さん 小さなポケットがついたスパッツやパンツです。小銭やキーを入れられるので、家から荷物の心配をせずに手ぶらで外に出て、そのままランニングをはじめることができます。



また、長い距離を走るときには、ウォッチやウエストポーチを身に付けて、エネルギー切れで倒れてしまわないように水分やエネルギー補給食を入れています。



――ありがとうございました。



体力の消耗を防ぐためにも、頭から足先まで、汗や紫外線対策を意識したウエア選びが欠かせないとのことです。体への負担軽減を第一に考え、自分に合ったスタイルを探しましょう。







監修:勅使川原郁恵氏。ショートトラック・スピードスケートの種目で‘98年長野五輪、2002年ソルトレークシティー五輪、さらに’06年トリノ五輪と、3度のオリンピック出場・入賞を果たす。

引退後、朝日新聞のプリンセスウォーカー、(社)日本ウオーキング協会のウォーキング親善大使などを経て、多くの企業のウォーキング・ランニングアドバイザーを務めながら、メディアや講演など多方面で活躍中。温泉ソムリエ、野菜ソムリエなどの資格を有し、「年代を問わない美と健康」を提唱している。

著書の『ウォーキングでナチュラル美人ダイエット』(扶桑社 1,365円)は、ウォーキングでけんこう骨や骨盤、精神面などへ働きかける方法とその効果を分かりやすく解説した好評の一冊。



(岩田なつき/ユンブル)