【全文掲載】亘崇詞のサッカーを考える!第7回「なでしこたちが励む地獄の階段トレーニング」【鈴木康浩】
こんにちは、亘崇詞です!
一昔前の日本女子サッカーは、中国や北朝鮮には勝てない時期がありました。ブラジルやアメリカともかなり差がありましたが、ロンドン五輪で見られたなでしこジャパンの大躍進はもちろんのこと、フランスチームも本当に素晴らしかったですし、カナダも確実に力をつけていて、女子サッカーの実力差が昔ほどなくなっていると感じました。
では、なでしこたちが世界との距離を縮めて世界をリードしだした、その大きな理由となる秘策はあったのでしょうか。僕は、なでしこジャパンの選手と日々汗を流し、U20世代の女子選手たちを間近で見る機会があるのですが、彼女たちは、地道で、ベーシックなトレーニングを日々繰り返して努力しています。今回は「なでしこは一日にして成らず!」というテーマでお話しましょう!
■なでしこたちが励む地獄の階段トレーニング
急成長を遂げたなでしこたちの勇姿をみて「どういうトレーニングをしたのだろう」と、知りたがっている人が少なからずいると思います。「秘密のダイエット!」であるとか、「座禅を組んでいた!」「ここの神社に参った!」「実はこれを食べていた!」などなど、ひょっとしたら今後そういった類ものがメディアで紹介されるかもしれませんね。
でも、僕は「秘密の特訓!」という“実力を養うための近道”はないと思っているんです。僕は今、未来のなでしこジャパンにつながる選手を育てるために、そして日本の女子サッカーのレベルを底上げするために、週に一回か二回はU20世代の練習にも携わらせてもらっているのですが、先輩なでしこがロンドンで戦っている間、その選手たちの走り込みのトレーニングを見る機会があったんですね。これが結構な量の走り込みをしていて、ここまで女子に要求できるんだなあ、と驚かされたのです。
ご存じの方もいるかもしれませんが、京王よみうりランド駅から、よみうりランドの巨人軍のファームの試合が見られるスタジアムまでずっと続いている坂道があります。その坂道は200段以上の階段が連なっていて、その坂道を登り切った場所に石碑があり、そこには『巨人軍への道 長嶋茂雄』と書かれてあるのです(笑)。「今日は階段だぞ!」といったように、選手たちは「階段」という言葉を聞いただけでぐったりしてしまうという(笑)、地獄の走り込みトレーニングが決行されるのです。
■うさぎ跳びもダメじゃない!
なんと、その階段で、昔から女子の選手たちも走り込みを行っていたというのです! 今回、銀メダルを獲得した選手にも、この階段で鍛えられた選手が何人ももいたわけです。そのトレーニングの内容は、階段を飛ばさず地道に駆け上がるという、そのまんま、のトレーニングなわけです。昔の女子選手でも多いときには往復7本連続で走ったと聞いています。ゆっくりならばできると思いますが、しっかり一段一段踏み外さないで、踵もつけずに、一往復3,4分を目安にやろうとするとかなりハードです。男子選手でも酸欠状態になるくらいなのです。
他のチームのなでしこジャパンの選手たちも、もちろんトレーニング内容は変われど、ベーシックで厳しいトレーニングをこなしてきているからあの結果を持ってこれたのでしょう。もちろん、アンダー世代の女子選手たちもこれを受け継ぎしっかりとこなしています。チームで強制的にやらせるときもありますが、何か足りないなあ、キレがないなあ、などと思ったときに選手が率先して個人的にこなしていることもありますね。現代では科学的なトレーニングが進歩して「うさぎ跳びはダメ」などと言われますけれど、ああいう苦しさを味わう時間、ベーシックなトレーニングも必要だなあと思うのです。
一昔前の日本女子サッカーは、中国や北朝鮮には勝てない時期がありました。ブラジルやアメリカともかなり差がありましたが、ロンドン五輪で見られたなでしこジャパンの大躍進はもちろんのこと、フランスチームも本当に素晴らしかったですし、カナダも確実に力をつけていて、女子サッカーの実力差が昔ほどなくなっていると感じました。
では、なでしこたちが世界との距離を縮めて世界をリードしだした、その大きな理由となる秘策はあったのでしょうか。僕は、なでしこジャパンの選手と日々汗を流し、U20世代の女子選手たちを間近で見る機会があるのですが、彼女たちは、地道で、ベーシックなトレーニングを日々繰り返して努力しています。今回は「なでしこは一日にして成らず!」というテーマでお話しましょう!
急成長を遂げたなでしこたちの勇姿をみて「どういうトレーニングをしたのだろう」と、知りたがっている人が少なからずいると思います。「秘密のダイエット!」であるとか、「座禅を組んでいた!」「ここの神社に参った!」「実はこれを食べていた!」などなど、ひょっとしたら今後そういった類ものがメディアで紹介されるかもしれませんね。
でも、僕は「秘密の特訓!」という“実力を養うための近道”はないと思っているんです。僕は今、未来のなでしこジャパンにつながる選手を育てるために、そして日本の女子サッカーのレベルを底上げするために、週に一回か二回はU20世代の練習にも携わらせてもらっているのですが、先輩なでしこがロンドンで戦っている間、その選手たちの走り込みのトレーニングを見る機会があったんですね。これが結構な量の走り込みをしていて、ここまで女子に要求できるんだなあ、と驚かされたのです。
ご存じの方もいるかもしれませんが、京王よみうりランド駅から、よみうりランドの巨人軍のファームの試合が見られるスタジアムまでずっと続いている坂道があります。その坂道は200段以上の階段が連なっていて、その坂道を登り切った場所に石碑があり、そこには『巨人軍への道 長嶋茂雄』と書かれてあるのです(笑)。「今日は階段だぞ!」といったように、選手たちは「階段」という言葉を聞いただけでぐったりしてしまうという(笑)、地獄の走り込みトレーニングが決行されるのです。
■うさぎ跳びもダメじゃない!
なんと、その階段で、昔から女子の選手たちも走り込みを行っていたというのです! 今回、銀メダルを獲得した選手にも、この階段で鍛えられた選手が何人ももいたわけです。そのトレーニングの内容は、階段を飛ばさず地道に駆け上がるという、そのまんま、のトレーニングなわけです。昔の女子選手でも多いときには往復7本連続で走ったと聞いています。ゆっくりならばできると思いますが、しっかり一段一段踏み外さないで、踵もつけずに、一往復3,4分を目安にやろうとするとかなりハードです。男子選手でも酸欠状態になるくらいなのです。
他のチームのなでしこジャパンの選手たちも、もちろんトレーニング内容は変われど、ベーシックで厳しいトレーニングをこなしてきているからあの結果を持ってこれたのでしょう。もちろん、アンダー世代の女子選手たちもこれを受け継ぎしっかりとこなしています。チームで強制的にやらせるときもありますが、何か足りないなあ、キレがないなあ、などと思ったときに選手が率先して個人的にこなしていることもありますね。現代では科学的なトレーニングが進歩して「うさぎ跳びはダメ」などと言われますけれど、ああいう苦しさを味わう時間、ベーシックなトレーニングも必要だなあと思うのです。