米大統領選キャンペーン中の共和党ロムニー候補は、ここ数日厳しい立場に置かれている。非公開のはずの資金集めのイベントで隠し撮りされたビデオが公開され、その時の発言が、共和党と民主党両方から批判されているからだ。そして極めつけに今度は、以前は好意的だったウーピー・ゴールドバーグ(56)に、「脱皮して姿を変え逃げるヘビよりタチが悪い」とまで言われてしまった。



1人あたり5万ドル(約400万円)の支援金を寄付することで出席できるこの非公開イベントで、ロムニー候補はこう言っているところをリークされた。「オバマ大統領に投票する人間は、政府頼りで被害者意識が強く、(連邦)所得税も払わないような、全人口の47%の人たちです。彼らはそれでも保健や住居、食べ物を持つ権利があると思っている。私の仕事はこれらの人々の心配ではありません」(彼のさす「47%」の多くは、皮肉なことに共和党に投票することが多い高齢者や障がいを持つ退役軍人だったりする。)

それだけでもかなりひんしゅくだったのだが、その話の続きでロムニー氏は『The View』(ザ・ビュー)に関するジョークも入れてしまった。『The View』は、1997年から続くABCの長寿トーク番組。ウーピーはバーバラ・ウォルターズ(82)などと並び、5人の共同ホストの1人なのだが、リークされたビデオの中に、特にウーピーを名指しするくだりが入っていたのはまずかった。

ロムニー氏はフロリダ州ボカ・ラトンの支援者を前にこう語った。

「『The View』に出るのはリスクが高いですよ、ホストの5人の女性のおかげでね。1人は保守派だが、あとの4人は毒舌で保守派ではない...特にウーピー・ゴールドバーグ(はこわい)。」

以前彼が番組に出演した時、ウーピーは彼の政策によっては支援することを考えてもいい、というような発言をしたのだが、ロムニーはビデオの中でこんなことまで言って、ウーピーをネタにしている。

「一番最後に出演した時、彼女に言われたんですよ、『へえ、(話を聞いたら意外と)アンタに投票しちゃうかも知れない』って。その時、(彼女に支援されるなんて)『なんかすごい間違ったことしちゃったんじゃないかな』って思いましたよ」

アッハッハ...と、『The View』ではいい顔をしておいて、ここでは内輪だけの集まりで笑いをとったはずのロムニー候補だったが、因果応報、ウーピーも『The View』の他の面々もこのビデオをばっちり見てしまった。

水曜日の番組の中で、他のホストはそれぞれビデオに関する意見を(やはり辛口に)述べたのだが、ウーピーは欠席だったので、Twitterで直接(と世界に)物申すことになったらしい。

「前に私が話していたMr.ロムニーという名の男性は、自分の理念をドブに流して別人になってしまった」とウーピーはつぶやいた。「そうね、一時期、穏健派の共和党候補がオバマとの選挙戦をちょっとは面白いものにしてくれるかと思った。でもそれは何か月も前の話...あなたが、大統領になりたいがためにヤケクソになって、自らの理念を忘れちゃった前の話。」
「自分がマサチューセッツ州で実現させたのと同じコンセプトの保険制度をオバマケアと名付け批判し、オバマの(悪い)アイデアだと言う。(自分の持っていた)意見を、ヘビが脱皮するのよりも早く捨てる人になった。」
11件にわたる、ウーピーの長広舌ツイートの全部はこちらで見られる(英語)。またウーピーに支持してもらえるとは思えないが、『The View』は女性票を大きく左右する、視聴者が多い昼枠の定番番組。ダメージ・コントロールのため、ロムニー陣営は10月にまた番組に出演する、と発表した。たぶんその時彼は、ウーピーの隣には座らないだろう。

<ウーピー・ゴールドバーグ、ミット・ロムニーのリークされたコメントに反撃>