3.11以降、東京電力福島第一原発をはじめとする原子力発電所にはスポットが当たるものの、青森県の六ヶ所村再処理工場についての報道は目立たなくなっています。原発が1年で放出する放射能を、わずか1日で放出することができる六ヶ所村再処理工場。政府は新たなエネルギー戦略として、同工場の「当面継続」の方針を明らかにしました。

 イギリスをはじめとする欧州の再処理工場周辺では、すでに深刻な放射能汚染が確認されています。また、日本は欧州に劣る原子力技術後進国ですので、再処理工場を安全に稼働させ続けることは出来ないと言われています。

 そんななか、書籍『「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場』では、3名の識者が「六ヶ所の危険性」を多方面から指摘しています。

 「もともと日本には、自力で再処理を実施する能力、前述したように、実験的な施設である東海再処理施設にしても、フランスに作ってもらっていた。それを動かすことで技術を習得し、六ヶ所再処理工場は日本が独力で作ろうとしたが、それもできず、六ヶ所再処理工場もまた、フランスに作ってもらった」(本文より)

 「日本の原子力産業がそれぞれに独自の利益を求めて、再処理工場建設の仕事を奪い合ったため、継ぎ接ぎの工事となってしまったのである」(本文より)

 こういった事実を知ると、いかに再処理工場が不安定なものなのかがわかります。

 また、六ヶ所再処理工場の下には活断層が存在するというのです。こういったリスクを政府は明らかにせず、施設の稼働継続を行おうとしているのです。もし大事故が起こるようなことがあれば、日本全土が放射能で汚染されかねない、福島第一原発とは比べものにならないような惨事が起こる可能性があるのです。

 なぜ、このような危険な施設を稼働し続けなければならないのでしょうか。そもそも、なぜ、十分な技術を持たぬまま再処理施設を作ってしまったのでしょうか。私たちは「想定外」などという言葉を許してはなりません。今一度、「六ヶ所再処理工場」について深く考える機会が必要なのです。



『「最悪」の核施設 六ヶ所再処理工場 (集英社新書)』
 著者:小出 裕章,渡辺 満久,明石 昇二郎
 出版社:集英社
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