雇用統計から考える米国経済

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金融市場において最も注目を集める経済統計の一つに、米国の雇用統計があります。

米国の雇用統計は、労働省が発表する経済統計であり、非農業部門雇用者数と失業率を中心として、製造業就業者数や週内労働時間、平均時給などが発表されます。

原則として第1金曜日に、前月末時点の状況が発表される速報性や、情報の網羅性などが注目される背景となっています。

米国では、GDPの約70%を民間部門(個人消費)が占めており、当部門の経済活動の原動力と言える雇用者数は、経済状況を考える上で重要な指標と言えます。

一例として米国の経済成長率(2.0%:IMF(国際通貨基金)2012年予想)を達成する上で、民間部門が担う成長率を1.4%(2%の70%相当分)とした場合、前年末の米国の労働人口(約1億3,200万人:非農業部門雇用者数ベース)から、2012年に必要な雇用者数の増加は月間で15万人程度(下図折れ線グラフ参照)と試算され、これが雇用統計の目安のひとつとなると言えます。

加えて、雇用統計は、最大雇用の達成を政策運営の目的のひとつに掲げるFRB(米連邦準備制度理事会)の政策判断の一要素となっており、米国の金融政策の先行きを予想する上でも注目されています。

実際に雇用統計が振るわなかったことから、FRBは雇用促進をめざし、裾野の広い住宅産業へのテコ入れを図ることなどを目標に、9月12日からのFOMC(米連邦公開市場委員会)においてQE3(量的金融緩和第3弾)の実施を決定したものと見られます。

金融市場は経済状況を表す雇用統計の数値を受けて、大きく左右される傾向があります。

雇用統計に限らず、経済統計を見る際には、数値そのものだけではなく、数値が意味している経済状況にも注目することが重要であると言えそうです。

(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。

)(2012年9月20日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。

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