多彩な缶詰をお酒と一緒に味わえる「缶詰バー」をご存知でしょうか? 定番のさばの味噌煮からイノシシ、トド、えぞ鹿などの獣肉系、世界各国の珍しい缶詰まで豊富に取り揃えているので、30代、40代のサラリーマンから、若い女性にまで人気のようです。

 東京・広尾の人気懐石料理店「分とく山」の総料理長・野崎洋光さんが執筆した『野崎洋光のたのしい缶詰レシピ』では、そんな缶詰を使った本格レシピを紹介しています。懐石の料理人が缶詰って何だかギャップがありますが、缶詰は実は大変に優れた食品だと野崎さんは指摘します。

 まず、冷蔵庫いらずでコンパクトに重ねられるので保存食としても最適。ガスや電気を使わずにそのまま食べることもできるので、非常食にもなります。しかし、野崎さんが缶詰を最も評価するのは、意外にも「味の良さ」だといいます。

 たとえば、魚介類でいえば、一番脂がのった時期のおいしさを缶の中に閉じ込めるので、一年中いつでも旬の味が楽しめるのだそうです。とくに水煮缶は、少量の塩と水だけで魚介を加熱処理したものなので、缶汁は天然ダシのかたまり。水で薄めてのばし、野菜などをプラスするだけで「冷や汁」ができるほか、好みによって味噌やしょうゆなどの調味料を加えても味のバランスがとりやすく、下調理もできているので、手軽に凝った味が楽しめるそう。

 気になる栄養面も、季節ごとの新鮮な素材を真空状態で閉じ込めているので、家庭で調理したものと比べても、栄養分が多く含まれているとさえいわれています。魚なら健康に良いといわれるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などがほぼ損なわれることなく入っている上、カルシウムたっぷりの骨まで食べられるものが多いなど、良いことづくしなんです。

 「缶詰は、下ごしらえや下調理を担ってくれる料理人のような存在でもあります。仕上げの工夫は自由自在、大いに楽しんでレパートリーを増やしてください」(野崎さん)

 ちなみに、缶詰にも食べ頃があります。魚介や畜肉は缶の中でじっくり味がなじんでいくので、製造後3カ月〜1年目くらいがベスト。一方、野菜や蟹の缶詰は製造してからすぐが食べ頃のようです。スーパーで買い物をするときに参考にしてみてはいかがでしょうか。




『野崎洋光のたのしい缶詰レシピ 魚介類編』
 著者:野崎 洋光
 出版社:東洋経済新報社
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