先週14日、フランスのタブロイド『クローザー/Closer』誌がキャサリン妃のトップレス写真を掲載したことに対し、プライバシーの侵害として同誌を告訴していた件で、仏裁判所は18日、キャサリン妃側の請求を認めた。しかし、ウィリアム王子とキャサリン妃のメディアとの戦いはまだまだ終わりとは言えない。

仏<AP>によれば、パリ郊外ナンテールの裁判所は『クローザー』誌に対して、問題の写真のデジタル版ファイルを24時間以内にキャサリン妃に引き渡すことを命じ、一連の写真の版権譲渡や転載、また同誌サイト上やタブレット版アプリも含め、これらの写真を掲載した新たな出版の差し止め命令を出した。

さらに裁判所は、同誌が引き渡し命令に応じなかった場合、1日1万ユーロ(約100万円)の罰金を科すとも。既に発行された「独占特集」に関しては、ウィリアム王子とキャサリン妃のプライベートな時間を「野蛮にさらけ出した」とし、2千ユーロ(約20万円)の損害賠償を命じた。

『クローザー』誌に掲載された写真は、ウィリアム王子夫妻が今月初め仏プロヴァンス地方で休暇をとっていた際、許可なしに望遠レンズで盗撮されたもの。『クローザー』誌の編集長は、「別に品格が落ちる類いの写真ではないし、道から見えたのだからプライバシーの侵害ではない」と主張していたが、裁判所はその主張を退けた。

18日の判決を受けてウィリアム王子夫妻は、「裁判官の決定に満足」しており、「正しさが立証されたと感じます」と、2人の弁護士であるマウド・ソーベル(Maud Sobel)氏を通してコメントしている。

<仏裁判所、『クローザー』誌に写真掲載の差し止めを命じる>

仏<ロイター>によると、王子夫妻は17日この判決とは別に、『クローザー』誌関係者と写真を撮ったカメラマン「X」を刑事告訴した。フランス検察当局は18日にこれを受けて、同誌関係者とカメラマンの行為が犯罪にあたるものか、刑事捜査を開始した。2人は『クローザー』誌に対して同時に民事訴訟もおこしたという。

英<Sun>誌は火曜日、正体が明かされていないので名指しできないカメラマン「X」を指し、「『(フランスの)ネズミ/Le Rat』を捜し出せ!」と題した記事を1面に出して、「このカメラマンは、これから追いつめられて刑務所行きだ」と報じた。

バッキンガム宮殿の広報が「グロテスクな」プライバシーの侵害とコメントしたこの事件、実はまだ安心できる段階ではない。18日の判決では英王室側の勝利、と見てとれるものの、この決定は『クローザー』誌が先週金曜日版に掲載した14枚の写真に限るものだからだ。同誌が他にも写真を保有しているかは明らかではなく(編集長は「まだある」と先日のビデオで発言していた)、法的には、判決に左右されない他の写真は別に出版してもいいことになる。

提訴することで他誌・他国での写真流出を英王室がけん制しようとしたとしても、すでに遅い。イタリアの『Chi』誌は『クローザー』誌よりも多くの26ページを使い、さらにきわどい写真を出版してしまった。またアイルランドの『Independent Star』紙の編集長は、「南アイルランドはグレートブリテン及び北アイルランド連合王国の一部ではないので、キャサリン妃は別に王室の人間ではなく、単なるセレブ」という理由で一連の写真を掲載し、英国にある親会社から停職を命じられている。

今回、英王室の主張が法廷では認められたものの、『クローザー』誌が手にしたであろう利益と比べ、罰金は微々たるものだった。今後メディア各社がどう動くかは、撮影・出版行為自体が犯罪と見なされるのか、つまり刑事告訴の結果にかかっていると言えるかもしれない。頭痛のタネが終わらない王子夫妻にはお気の毒なことだが、報道のあり方を左右する事件としても、今後の動向が気になるところだ。