こんな不景気で何をやっても無駄
日本社会に蔓延する「学習性無力感」

「色々やってもね、結局無駄なんですよ、今は不景気ですから」

 先日、某企業の営業の方から聞いた言葉である。

「こちらが提案しても、上が保守的で、結局何にも変わらない。公務員だからしょうがないのでしょうか」

 こちらはある国家公務員の方の言葉だ。

「これで70社にフラれました。さすがにここまで来ると凹みますね」

 就職活動をしている某一流大学の学生のセリフだ。

 これらの言葉に共通しているのは「無力感」だ。自分だけがあがいてもしょうがない、ヤル気を見せても報われない。ならば、何にもしない方がいい。新しいアイディアなど出さず、余計なこともせず、無事にお給料をもらえればそれでいい。就職もせず、引きこもって、当座はしのいでいればいい――。

 今の日本には、こんな「無力感」が蔓延しているように感じる。なぜだろうか。

 心理学の有名な研究に「学習性無力感」と呼ばれるものがある。無力感を学習するのである。無力感は実は学習されるのである。

  たとえば、ネズミを檻に入れておく。檻には仕切りがあって、2部屋になっており、仕切りを飛び越えれば隣の部屋に行くことができる。ここで片方の部屋の床に弱い電気を流す。これはネズミにとっては不快なので、ネズミは走り回ったあげく、隣の部屋へ移る。隣の部屋には電気は流れていない。

 これを繰り返すと、やがてネズミは電気を感じると迷いなく隣の部屋に移るようになる。自分にとって利益になる行動を「学習」するのだ。

 そんなネズミに、今度はどちらの部屋にも電気を流すように条件を変えて実験を行なう。つまり、隣の部屋に移っても不快な状態が変わらないようにするのだ。

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