【試乗記】これは超お買い得! 全く違うモデルに生まれ変わったメルセデスの新型Aクラス

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新型Aクラスは、メルセデス・ベンツにとって1993年にCクラスが誕生して以来の画期的なモデルかもしれない。そんな期待を持たせられる新型にスロベニアで試乗した。
1997年に初代モデルが誕生し、これが3代目となる新型Aクラスは、決して小さくてカワイイだけのコンパクトカーではない。それは攻撃的なルックスからだけでも伝わってくる。いかにもコンパクトカーといった初代や2代目とは違い、明らかにスポーティーに変身しており、先代モデルたちの存在を忘れさせるような強烈なインパクトを醸し出している。



近年、スタイリッシュなコンパクトハッチが急増しているが、今年3月に開催されたジュネーブモーターショーで新型Aクラスが初披露された時、この車が同セグメントに旋風を巻き起こすことを誰もが予感したことだろう。今回は、最上級クラスとなる「A250スポーツ」と「A250 AMGスポーツ」(写真)の2タイプに試乗した。ちなみに新型Aクラスには「アーバン」「スタイル」「AMGスポーツ」という3種類のエクステリアが用意されている。


新型Aクラスの全長は4292ミリ。競合のアウディ「A3」と比較するとほぼ同じだが、ホイールベースは新型Aクラスの方が約120ミリ長いく、全幅はわずかに広く、全高はほとんど変わらない。また、ラゲッジルームはアウディA3が通常552リッター、後席を倒した状態で1104リッターなのに対し、新型Aクラスの容積は通常が341リッター、同じく後席を倒すと1157リッターとなっている。

パワートレインは、新型のBクラスにも搭載されている2.0リッター、4気筒直噴ターボエンジンが採用されている。これを再びアウディA3と比較すると、2.0リッターTFSIエンジンを搭載したアウディA3は200ps/5100〜6000rpm、トルクは21.6kgm/1700〜5000rpm 。A250は211ps/5500rpm、トルクは35.7kgm/1200〜4000rpmとなっており、ライバルを若干凌いでいる。

今回の試乗に用意されたのは、前述のとおりA250 スポーツとA250 AMGスポーツの2種類だ。A250スポーツにはAMGの名前は付けられていないが、両モデルとも開発段階からAMGが関わっており、スポーツにはAMGがチューンしたシャシーに新しいスロットルとトランスミッションが搭載されており、AMGスポーツにはさらにスポーツサスペンションが装備されている。

両モデルの全般的なパフォーマンスの数値はほぼ同じ。0-100km/hはともに6.6秒となっている。A250スポーツはAMG製のサスペンションに専用フロントアクスル、ESP(エレクトリック・スタビリティ・プログラム)を搭載し、7速DCTがきびきびシフトチェンジする。ブレーキのレスポンスも非常に良かった。また、スポーツチューンされたエキゾーストからは迫力ある音が轟く。

A250 AMGスポーツのハンドリングは、きついカーブでも思った以上に安定している。同車に搭載されたスポーツサスペンションは非常にバランスが良く、アグレッシブにコーナーを攻めてもしっかりと対応。過去のAクラスとは比べ物にならないガッチリとした走りだ。更に可変ステアリング機構のダイレクトステアシステムも搭載され、18インチホイールに装着したグッドイヤーのイーグルF1タイヤがダイナミックな走りをサポートしてくれる。だが、今回の試乗ではA250スポーツが履いていた幅の広い19インチ(オプション)のタイヤの方が良い感触だった。

トランスミッションは7速DCTのほか、6速マニュアルも用意されている。マニュアルは、気持ちのいいほどギアがピタリと入り、本当に気持ちがいいほどの出来だが、7速DCTはシフトの入りにくさや、変速に遅さを感じることがあった。

A250のインパネは、シルバーのメーターに蛍光の赤い針がスポーティーな印象を演出している。すっぽりと包み込むような合成皮革のスポーツシートや、カーボンファイバー調のダッシュボードにも同様の雰囲気が漂う。前後の座席にはゆったりとしたスペースがあり、ライバルのA3やMINIよりも快適だ。ホイールベースが長く、高さも確保されているので、後部座席の足元や頭上にも圧迫感はない。その分、ラゲッジルームはやや狭いが、キャビンの居住性を追求している分、やむを得ないだろう。おそらく、プレミアムコンパクトカーのクラスでこれだけの広さを持つ車はなく、強いて挙げるとすればボルボ新型「V40」くらいだろう。