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手帳と時間の使い方に関するアンケートを実施。結果を時間達人が解説する。

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調査概要/「gooリサーチ」とプレジデント編集部の共同調査により、個人年収400万円台311人、1500万円台以上311人から有効回答を得た。調査期間は2010年9月22日〜27日。

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■健康管理は毎朝の体重測定から

コンスタントに成果をあげるために、健康はすべての土台となるものだ。「体重や体脂肪などを数値で記録することで、体の変化を把握している」という問いに「どちらかというと」も含めてあてはまると答えた人が、1500万円以上では38.3%を占めるのに対し、400万円台の人では27.0%と10ポイント以上の差が出ているのはうなずける。

かく言う私も、30代までは健康について意識することはなかった。健康の大切さに気づいたのは40歳のとき、胆石で緊急入院したのがきっかけだ。いまでは、毎朝の体重測定は欠かさない。体重という基本的な数字で日々のチェックを始め、自分の体と向き合う習慣をつけること。健康管理はまずここから始まる。

「毎朝の体操、1駅分歩くなど、日常の中に決まった運動を取り入れ、習慣化している」と答えた人は「どちらかというと」も含めると400万円台が27.3%に対し、1500万円以上で40.5%。時間もお金もかかるジムに通うより、日常生活の中に運動を取り入れるほうが、負荷が低くお勧めだ。私が5年前から続けているのは、毎朝15分間の自宅でのトレーニング。パーソナルトレーナーにメニューをつくってもらっている。

勉強でも運動でも、始めることと同じくらい難しいのが、継続することだ。「周囲の力を借りることで運動を続ける仕組みを持っている」という問いに「あてはまる」と答えた人が1500万円以上では4.5%に対し、400万円台の人では1.3%と3倍以上の差が出ている点に注目したい。たとえば、私は専門家にメニューをつくってもらうだけでなく、トレーニングの結果を毎日手帳に記録している。記録していると、そのうちに記録することが続けるための励みになる。

運動と同時に、健康管理に欠かせないのが食事だ。「就寝の3時間前に食べるなど、食事を摂る時間を意識している」という問いに「どちらかというと」を含めてあてはまると答えた人は、年収1500万円以上では36.4%を占めるのに対し、年収400万円台の人では26.7%にとどまる。こうした健康に対する意識も、将来を見据えた自らのミッションを持っている人と、持っていない人との差と見ることができるのではないか。

■目標が見えていれば必要な額は決まる

健康づくりとお金づくりは、実はよく似た側面を持っている。「現状把握→目標設定→意思決定→継続のため仕組みづくり」という一連のプロセスがまったく同じなのだ。ダイエットで最初に自分の体重を知るのと同じで、資産運用も、まずいま自分はいくら持っているかを知る(現状把握)ことから始まる。そのうえで、いつまでに、何のためにいくら必要なのかという目標を立て(目標設定)、どんな金融商品を使ってどのように投資をしていくのかを考え(意思決定)、無理なく続けられる仕組みをつくる(継続技術)のだ。

「食費、交際費、娯楽費など、項目ごとに年間の支出を把握している」という問いに「あてはまる」と答えた人は、1500万円以上の13.2%に対し、400万円台の人では7.7%。「いつまでにいくら必要か目標を数値化している」という問いに「あてはまる」と答えた人は、1500万円以上の13.5%に対し、400万円台の人では4.5%と、いずれも大きな差を示している。

目的が不明確なまま資産運用を始めると、お金を殖やすことが目的化してしまい、計画性のない投資に走って失敗するケースが多い。本来、お金というのは目的を実現するための手段にすぎない。目標や目的がはっきりと見えていれば、将来必要なお金の額はそれに応じて自然に決まる。資産運用のプロセスも自ずと見えてくるはずだ。

最後に、情報収集と人脈づくりについて触れたい。「雑誌・書籍代に月1万円以上使っている」という問いに「あてはまる」と答えた人は、1500万円以上の16.4%に対し、400万円台の人では6.1%。2倍以上の差になっている。この差は、単に意欲の違いにとどまらず、年収の高い人ほど「整理された情報をインプットする時間をうまくつくり出している」と見ることができるだろう。

「仕事のレベルアップのために」と、勉強会や異業種交流会にたびたび参加している人を見かけるが、こうした時間をいったん整理してみてはどうだろうか。20代の頃、私も勉強会や異業種交流会に参加したが、残念ながらそれをきっかけに新たな人間関係が生まれることはなかった。もちろん、このような会合に意味がないと言っているのではない。場をうまく生かすことができる人と、そうでない人がいるのだ。

その違いは「自分から相手に与えられるものを持っているかどうか」である。勉強会や異業種交流会は「価値を交換する場所」だ。だから「自分の価値が何か」をわかっていないと参加しても意味がない。手ぶらで行って「何か有用な情報をください」といっても、誰も何も与えてはくれない。他の人と差別化できる分野は何か、自分が本当に好きで、その道を究められる分野は何か。こうしたこともまた、自分の頭の中を鳥瞰することで見えてくる。

※すべて雑誌掲載当時

(マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長 内藤 忍 構成=梅澤 聡 撮影=飯田安国、相澤 正)