8月末に「Firefox 15」の正式版がリリースされましたが、2012年末〜2013年初頭ごろにリリースされるとみられる「Firefox 18」では新JavaScriptエンジン「IonMonkey」によって、これまでよりもベンチマーク結果が大幅に向上、高速化することが明らかになりました。

IonMonkey in Firefox 18 | Mozilla Developer Street (modest)


FirefoxはこれまでにSpiderMonkey、TraceMonkey、JägerMonkeyという3つのエンジンを搭載してきました。もちろん、じわじわと性能向上はしてきたわけですが、Firefox 18から導入されるIonMonkeyはそもそも新しいアーキテクチャとして開発されました。

これまでのエンジンはJavaScriptから機械語へ変換するときにほぼ直接的な変換を行い、中間ステップが存在しませんでした。しかし、IonMonkeyは「JavaScriptを中間表現に変換する」「多くのアルゴリズムを実行し中間表現を最適化する」「最適化された中間表現を機械語に変換する」という処理を行っています。

Google V8 benchmarkの結果。現在正式版のFirefox 15が8474、オーロラ版(ベータ版の前)のFirefox 17が9511というスコアで、Firefox 18は10188。Firefox 15と比べると20%も改良されています。


Kraken benchmarkの結果。数字は一分間に実行可能な回数を表しており、数字が大きいほど優秀。Firefox 15とFirefox 17では大きな差は出ていませんが、Firefox 18ではFirefox 17に比べて26%も改良されています。


IonMonkeyはFirefox 18からデフォルトで有効になる予定。Firefox 18は現在まだNightlyの状態で、10月8日にオーロラ版に、11月20日にベータ版へ移行し、12月末から2013年初頭ごろに正式版がリリースされるとみられています。



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