お医者さんって、病気にならないの?医師の健康管理方法を聞いてみた




いつも病人と向き合っているお医者さん。院内にはウイルスや細菌だらけのはずなのに、なぜお医者さんはしょっちゅう病気にならないのでしょうか。そのナゾに迫るべく、4人のお医者さんにインタビューしました。今回の健康法は取材したお医者さん独自の意見や手法が含まれておりますが、参考になることは多いはず。



■医者は不養生?



お医者さんとして、日ごろ健康のために気を遣っていることはあるのでしょうか。まず、内科の開業医・K先生(78歳)にうかがいました。



「日々気をつけていることは何もありません。



いつも雑菌にまみれた環境で過ごしているから、自然と免疫ができているんじゃないかな。もう何年も、寝込んだことはないね」



では、雑菌が多い環境の方が、体が強くなるということですか?



「近ごろは、やれバイ菌がどうの、やれ不潔だとどうのって、清潔信仰がいき過ぎじゃない? だから、免疫力も抵抗力も低くなって、かぜをひきやすい人やアトピー・ぜんそく・アレルギーを持つ人が多くなった。



汚い環境が良いというわけではないけれど、最近の人は神経質過ぎる気がします」



たしかに、「キレイ=正しい」といった式が世に広まり始めたころから、日本人は体力的にも精神的にも弱くなってきた気がしますね。



続いて、小児科医S先生(48歳)に話をうかがいましょう。



「インフルエンザワクチンだけは毎年打ちます。インフルエンザは抗原性が毎回変わるので、免疫力がつきませんから。あと、手洗いはマメに行っています。それから、ビタミン類を意識して取るようにする……そのくらいかな?」



お医者さんとはいえ、健康管理については一般の人とあまり変わらないようです。



■「かぜをひいたかな?」と思ったら……



「医者の不養生」ということわざがあるように、お医者さんだってかぜをひくこともあります。そんなとき、お医者さんはどのように対処しているのかうかがいました。



「のどが痛いな、と思ったら、『桔梗湯(ききょうとう)』という漢方薬を飲みます。飲むときは、少量のお湯で溶かし、うがいをする要領で、ノド全体に薬が行き渡るように薬をノドにしばらく留めてから飲む。そうすると、大体すぐに治りますよ」(前出のK先生)



「私は、日ごろからうがいを励行しています。特に『かぜをひいたかな』と思ったときは念入りに。ただし、塩水です。ヨード液(いわゆるうがい薬)は、炎症を起こしかけた粘膜に刺激を与えてしまうことがあるので、使いません。塩水でなくても、水道水で十分効果がありますよ」(アレルギー科・Y先生)



「体調が少し悪くても、取りあえず何か(消化の良いもの)を食べて、なるべくすぐに休む。



ちなみに、かぜをひいたらお風呂はダメだと思っている人が多いけど、そんなことはない。汗や汚れを洗い流したらサッパリするし、体を温めるためにも入った方がいい。体が冷えるって言う人もいるけど、冷える前に布団に入ればいい。もちろん、ムリに入る必要もないけどね」(大学病院勤務医・O先生)



悪化しないように、ご自分で処方した薬を飲むのかと思いきや、みなさん意外とシンプルな方法で乗り切っているようです。



■ダウン寸前まで症状が悪化してしまった場合



この質問については、4人のお医者さんがほぼ同じことをおっしゃいました。代表として、前出のS先生にお話しいただきましょう。



「かぜ薬をよく『かぜを治す薬』だと思い、体調が悪くなるとすぐに処方せんを求める人がいますが、かぜ薬はあくまで症状を緩和させるためのもので、かぜを根本から治す薬ではないんです。



かぜ薬を飲んでもかぜが治らないのは、薬の効力が弱いからではなく、体に抵抗する力ができていないから。専門的治療を必要とする病気でない限り、しっかり食べ、しっかり休み、自然治癒力に任せるべきです。



だから医師たちも、体調が悪くなれば、できるだけ休み、栄養と水分を十分にとって回復をはかります。それでも治らなければ、対症療法薬などで乗り切る。万が一インフルエンザなどの感染性にかかってしまったら、患者さんに移さないよう、やむなく診療は休みますけどね」



お医者さんも、私たちと同じ人間。自分の体の声に耳を傾け、素直に従うことが何よりの健康の秘訣(ひけつ)なのかもしれません。



(OFFICE-SANGA 百田カンナ)