ベテランFPが”こっそり”教える、知ってトクする保険の話 (5) 加入している生命保険を使って、保険会社からお金を借りる

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借金はできればしないほうがいい。

しかし必要に迫られてお金を借りなければならないとき、「自分や家族の生命保険を使って借りる」選択肢を考えてもいいかもしれません。

他の方法よりも低利で借りられる場合があります。

安易に高利のカードローンなどに頼る前に、自分や家族がどんな保険に入っているか確認してみてはいかがでしょうか。

自分や家族が被保険者になっている保険を使ってお金を借りる仕組みを「契約者貸付」といいます。

定期保険のような掛け捨ての保険では使うことはできませんが、貯蓄性のある保険であれば利用が可能。

貯蓄性のある保険とは終身保険、養老保険、こども(学資)保険、個人年金保険など。

途中で解約すると「解約返戻金」(積立金)が戻ってくるタイプの保険です。

契約者貸付は、保険に積み立てられている解約返戻金を担保にして保険会社からお金を借りる仕組み。

お金を借りなくても、保険を解約すれば解約返戻金を受け取ることはできますが、同時に保障がなくなってしまいます。

いっぽう解約返戻金を担保にお金を借りると、保障はそのまま続けることができます。

契約者貸付という仕組みは、「万が一のときのために保険にはこのまま入っておきたい。

しかし、今は一時的にお金が必要で、他の方法よりも有利にお金を借りられる」という場合に有効な借り入れ方法です。

借りるお金の用途が限定されない点もメリットのひとつです。

貸付限度額は、解約返戻金の80〜90%以内としている保険会社が多いようです。

もともと解約返戻金は、支払った保険料の一部が積み立てられるもの。

したがって保険料を払う期間が長くなるほど増えていきます。

逆に、契約して間もない保険の解約返戻金はさほど多くなく、貸付限度額も少額で、必要な借入希望額には届かないかもしれません。

貸付利率は契約時期などによって保険会社が決めていますが、支払った保険料の運用利率である「予定利率」よりも高く設定されています。

ある大手生命保険会社は、貸付利率を次のように設定しています。

市場金利が高かったころの保険契約は貸付利率も高く、低金利時代になってからの貸付利率は低くなっていますね。

契約者貸付を利用するには、保険会社のコールセンターなどにアクセスすれば、条件を確認することができ、他の借り入れ方法と比較した有利、不利を判断することができます。

加入している保険が契約者貸付を利用できるものか?貸付限度額はいくらか?貸付利率は何%か?貸付期間はいつまでか?なお、契約者貸付の返済期間は保険期間が満了するまで(保障が終了するときまで)。

カードローンや住宅ローンのように毎月定期的に返済するのではなく、返済期間中に一部、あるいは全部を返します。

返済時期や金額は自由。

ただし、貸付利率は複利で、利息は元金に組み込まれるため、いつ返してもいいからと油断していると、知らないうちに金額が膨れあがり返済がたいへんになるので注意が必要です。

また、返済が終わらないまま満期を迎えたり、被保険者が死亡したときは、満期保険金や死亡保険金から元金と利息が差し引かれて受取人に支払われます。

生命保険に加入する大きな目的は、死亡など万が一の事態に備えるため。

その保険を使ってお金を借りるのも、「のっぴきならないやむを得ない事情」に限定したほうがいいですね。