「使えるアイデア」が集まる思考法

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 一部の人を除いて、普段意識することはまだあまりないかもしれませんが、経済や労働力のグローバル化は着実に進んでいます。
 それは、自分が勤めている会社が外国の会社に買収されたり、外国人の上司の下で働く可能性があることを意味します。
 そんな状況になったとき、単に語学を学んだり、外国流の仕事の進め方を覚えるだけでは彼らと渡り合うことができません。
 『「世界水準」の思考法』(日本実業出版社/刊)の著者で、外務省、外資系コンサルと世界を相手に仕事をしてきたキャメル・ヤマモトさんは、世界で通用するための条件として、「ローカルな思考」と「グローバルな思考」の“二刀流”で物事を考える能力と、自分の能力を余すところなく使うための「全体思考」を身につける必要があるとしています。その際、全く海外で仕事をする機会がなくても、本書で紹介する内容を練習すれば、思考法だけは世界水準をめざして磨くことができます。

 本書には、その具体例とトレーニングの方法がつづられていますが、今回はその中の一つとして、企画や問題解決に役立つ「アウトライン思考法」を」紹介します。

■難問は後回しにせず「アウトライン」を書いてしまう
 たとえば、上司からとある難しい問題の解決策を3週間で作るように求められたとします。
 期限まで3週間あるといっても、日常業務もありますし、緊急の案件も入ってきますから、その問題だけに集中できるということはありえません。
 作業効率を重視する人であればあるほど、そういった難問は後回しにするはず。少なくとも緊急案件よりは優先順位が低くなるはずです。そして締切の数日前になってからようやく難問に着手し、熟考するひまもなく力技で仕上げる…。これでは質の高い仕事はできません。
 ヤマモトさんは、こんな事態を避けるために「アウトライン思考法」を勧めています。
 「アウトライン思考法」では、難問を後回しにするのではなく、即座に着手して解決案のアウトラインを記録してしまいます。
 そのアウトラインは深く考える必要はありません。その時思いついたことを、どんなに稚拙なものでも、単純なものでも、とにかく頭を使わず瞬間的に書いてしまえばいいのだそうです。それが済んだら、日常業務に戻って構いません。
 時間にすると10分程度の作業でしょうが、これには大きな意味があります。
 こうすることで、それ以後に起こる全ての出来事から、解決策のヒントになりそうなアイデアを待ち受けている状態になり、日常生活や仕事の様々なシーンからアイデアを得ることができるのです。

■情報処理でモノを言う「編集能力」
 そうして集まった情報は、企画書や報告書にまとめる必要があります。
 最初に作ったアウトラインが基本となりますが、当初想定していなかった新しいアイデアや情報がこの思考法のうまみなので、そのうまみを活かす編集をしなければなりません。
 ヤマモトさんはその手順として次のようなやり方を紹介しています。

1.一つのファイルに情報を全て書き込む
 PC上にマスターファイルを作り、そこにこれまでに得た全ての情報を書き込む。さらにその情報からキーワード検索をかけ、新しいファイルに関連記事を集める。

2.長さを調整する
 集めた記事の長さを調整する。似たものをまとめたり、長すぎるものは2つ以上に分解し、それぞれに見出しをつける。

3.目次作成・並べ替え
 1.で作った新しいファイルの冒頭に白紙を作り、目次を打ち出す。その目次に沿って集めた記事を並べ替える。

4.圧縮する
 集めた情報から不要な部分を削る。要点だけ残すことで、自分の思考も鋭くなる。

5.何度も推敲する
 完成度を高めるために納得ゆくまで、ファイルの編集を繰り返しながら自分の考えを固めていく。

 「アウトライン思考法」に見られるような「書きながら考える」ことは、「全体思考」やにおいてカギになります。また、アウトラインをマクロ視点でざっくりと決めて(グローバル思考)、編集で細かな部分を煮詰めていく(ローカル思考)ということで“二刀流”の思考の一例でもあるのです。
 本書には、この他にも世界で通用するための思考法について詳しくつづられていますので、いずれ世界で勝負したい人、会社の外資化に備えたい人は参考にしてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)