【松岡賢治のマネーtab】スマホバンキングの“タイムセール”を見逃すな!

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 一部の銀行や証券会社で、おもしろい試みが始まっているのをご存じだろうか?ごく短期間に限って、売買手数料などを割引くという金融商品の?タイムセール?が行なわれていることを。
 三菱東京UFJ銀行は、9月6、7日の2日間限定で、外貨預金の預入手数料の引き下げを実施した。その中身は、米ドルの場合1米ドルあたり通常25銭を10銭に、豪ドルでは1豪ドルあたり通常50銭を10銭にするなど、思い切った引き下げ幅となっている。このところ、1豪ドル=81円前後の動きとなっているので、この40銭という引き下げは金利に換算すると0.5%弱になる。したがって、0.5%くらいの「金利優遇」と同じことができる。
 
 従来、銀行が提供する個人向け金融商品の手数料や金利優遇は、「キャンペーン」という形で行なわれ、ボーナスシーズンなどに1〜2か月という期間で実施されるのが通例だった。今回、タイムセールを実施した三菱東京UFJ銀行の2日間というのは、極めて異例のことで、まさに?タイムセール?だった。

■金融各社のタイムセールは?

 こうした?タイムセール?タイムセールは、メガバングでは三菱東京UFJ銀行が初の試みと思われるが、すでに実施している金融機関もある。新生銀行は、昨年から外貨預金における「為替手数料ディスカウントタイム」を実施していた。これは、今年に入って「為替手数料無料タイム」にパワーアップし、米ドル、豪ドル、ユーロの各1通貨単位あたりの為替手数料(片道)が0銭になる、というものだ。直近に実施されたのは、9月5日の20:00〜同月7日の8:50の間だった。

 また、証券会社では、マネックス証券が似たような試みを実施しており、こちらは外貨建てMMFの為替手数料を引き下げている。7月に行なわれた“タイムセール”は、期間が4日間とやや長く、マネックス証券はこれを「キャンペーン」と称している。こうしたタイムセールは、期間が短いだけに、いずれもメールで通知される。また、申し込み(=購入)は、インターネット経由か電話に限られる。すでに何度も実施している新生銀行やマネックス証券は別として、おそらく9月が初めての試みだった三菱東京UFJ銀行がすぐに2回目、3回目を実施するかどうかは、今のところ不明だ。だが、今後、こうしたタイムセールが徐々に増えて、定着していくものと思われる。

■スマホバンキングのタイムセールは?

 スマートフォンを使ったネットバンキングのことを、以前「スマホバンキング」として紹介したことがあった。これは、各金融機関がスマホの顧客拡大に一層注力することが予想できるからだ。その際、スマホバンキングにとって、金融商品のタイムセールは目玉商品となる可能性がある。

 例えば、より期間の短い1時間単位のタイムセールも、スマホの「プッシュ通知」を活用すれば、ユーザーに提供することが可能になる。アプリをインストールしていれば、「今から1時間限定で手数料無料サービス」といった情報を、随時通知させることができるだろう。

 タイムセールの中身も手数料優遇と金利優遇を組み合わせて、お得度の高いセールを用意すれば、話題になるだけでなく、プロモーション効果も期待できるだろう。「限定100人まで」としておけば、金融機関側の負担も減らせるし、逆に、人気が出て売り切れたりすれば、一気に盛り上がる可能性もある。

 ユーザー側にしてみれば、そもそも、タイムセールによってお得な金融商品が増えるということは大歓迎のはず。スマホならではの、タイムセールの登場に今後も期待したい。

(文/松岡賢治)

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。