先日、世界のネット環境充実国が発表されました。その結果によると1位は北欧スウェーデン、日本は20位とされました。このランキングは、世界61カ国を対象にして調査が行われており、インターネットが経済、社会、政治に与える影響や、ネットの普及度などが対象となっています。日本は上位国ではないですが、それなりの環境が整いつつあると言えるでしょう。

 しかし、そんなインターネットですが、ネット住民と非ネット住民の間には少しずつヒズミができつつあるのです。皆さんはこのような経験をしたことはないでしょうか。ネットどっぷりの人が話すネットニュースで盛り上がっている内輪ネタに、関心を示さなかったどころか、嫌悪感を抱いてしまった経験です。書籍『自分のことをしゃべりすぎる若者たち』では、彼らを「ネット弁慶」と呼び、その姿を紹介しています。

 「ネット弁慶」というと、冴えない人間を想像するかもしれませんが、実はそうでもないようです。以前は、いわゆる「電車男」のような存在がネットに沢山いたわけですが、ネットのコミュニケーションがSNSに移行したことで、社交性が高く容姿に優れた「ネットどっぷり」の人たちが現れるようになったのです。彼らは社交性を活かしてネットの中で華麗に自分をアピールし、オフ会で友達を増やす。「電車男」とは逆のイメージです。

 そんな彼らがネットの中で成功体験を重ね、自意識をふくらませ、その感覚をリアルで他者に押し付ける姿がしばしば見られるようになったのです。しかし、ネットで流行しているからといって、そのままリアルに持ってきても、通用するかといったらまた別の話です。

 社交性=人付き合いが好きなこと
 社会性=社会生活を営むことができる資質・能力

 「社交性は飲み会でうまく振る舞える能力で、社会性は空気を読んで臨機応変に立ち回れる能力。一言でいえばネット弁慶たちは社交性が高く、社会性がないのです。

 どこの会社にも実務能力は低いのに、社交性が高く上司やクライアントの懐に飛び込み、得をしている人間がいる。彼らは真面目に仕事をしている同僚からは、"鼻につくヤツ"と忌み嫌われる。社会性があれば同僚たちとの調和を考えるが、それはしないのだ。これがネット弁慶が嫌われる理由である」

 ネットの真の危険性について著者は、「妙に社交性が高い人がネットに逃避して、そこで簡単に満たされてしまい、現実世界でダメになっていくことである」と言います。社交性はあるが社会性のネット弁慶になっていないか、一度考えてみるのも悪くはありません。



『自分のことをしゃべりすぎる若者たち (講談社プラスアルファ新書)』
 著者:杉浦 由美子
 出版社:講談社
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