良い不動産屋に出会うためにはいったいどこをどうやって探せばいいのでしょうか。

「快適で安全な一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザーで宅地建物取引主任者である穂積啓子氏にお話を伺いました。



■広告物件は必ずあることが第一――不動産屋にはどのようなタイプがあるのでしょうか。

穂積さん 大きく分けて、『ターミナルタイプ』と『地域密着タイプ』があります。

ターミナルタイプは、大手建設会社の関連企業やフランチャイズ企業が、人口が集中する都市部の駅近くや、大通り沿いに店舗を展開するパターンです。

大々的に広告を打ち、業者専用のネット網を駆使して多数の物件情報を提供しています。

地域密着タイプは、何十年と同じ場所で営業を続け、その地域の情報に特化して強く、地元のビルやマンションを管理しているパターンです。

家主との関係が深いと考えられます。

店舗は、住宅街や大通りから1本奥まった道沿いにあることが多いでしょう。

不動産屋を巡るには、まずはターミナルタイプに出向き、家賃の相場や街、空き物件の様子など大まかな情報を得てから、自分の足で希望エリアを歩き、地域密着タイプの不動産屋を訪れると優良物件や細かな状況が見えて来るでしょう。

――それぞれのタイプの特徴や、デメリットを教えてください。

穂積さん ターミナルタイプは、広告の関係で店名を誰もが知っているのですが、フランチャイズの場合は、名前を借りているだけであってそれぞれ個々の不動産屋が営業していることを知っておきましょう。

コンビニ同様、よく知っている名称の店舗でも、大企業ではなく、零細もしくは中小企業のひとつです。

広告チラシや領収書には、フランチャイズ名ではなく、○○不動産株式会社などと、実際の社名が書かれていることがあります。

何かトラブルがあったときは、フランチャイズの本部が責任を持って対処するわけではなく、経営する会社との交渉になることがほとんどです。

また、営業スタッフはその会社の社員ではなく、完全歩合給のフリーの営業マンであることが多いのも実情です。

完全歩合給の場合、案内したお客さんには当然、契約をしてほしいでしょう。

よって、成約を急ぐということがあります。

また、転職が容易なので、すぐに変わってしまうということも多いようです。

地域密着タイプは、管理業をしているだけに経営が安定しているとあって、サービスや愛想が悪いイメージがあるでしょう。

特定のお客さんだけを大事にし、若いお客さんには冷たいなどということもあると聞きます。

――良心的な不動産屋さんを見分ける方法はあるのでしょうか。

穂積さん 店を訪れた際、看板や玄関に出している物件案内書(間取り、場所、賃料などを書いた書面)にある物件は必ずある、ということが第一です。

「おとり物件」と呼びますが、「現実にはない条件がよい案内書」を掲示して、お客さんを呼び込む業者がいます。

電話で問い合わせたときには「はい、ありますよ!」という返答だったけれど、店に行ったときには「ついさっき、先のお客さんに決まってしまったんですよ……。

こちらはどうですか?」と別の賃料が高めの物件を紹介されるなどのケースです。

良心的な業者の場合、ウエブサイト上でも、そのような案内できない物件を広告に出すことはありません。

大手企業が運営する不動産情報のウェブサイトでは、虚偽広告としてそれを禁止しています。

次に、お客さんの希望をよく聞いて、「複数の部屋を案内してくれる」ということです。

完全歩合給の営業マンは、「1軒しか案内したくない。

そこで何とか決めるように話を持って行く」とよく言います。