「耳読書」を始めて1年。TOEICリスニングパートで満点に!その秘密は?
TOEICの問題には傾向があるので、問題集などで傾向をつかみましょう。
例えば、TOEICに、「専制君主」という単語はまず出てきません。
問題集選びは自分のレベルに合ったものを選び、ほかの人の評価に振り回されないことを心がけてください。
もし失敗しても、問題集は1冊1,500〜2,000円程度。
1冊くらい失敗したからといって、それで人生終わりではありません。
1冊の中に、ひとつでも役に立つことが書かれていたらもうけものだと思っていいくらいの気持ちが大切です。
何をどうしたくて、TOEIC対策をするのか、考えてみてください。
どの程度、時間があるかもそうですし、満点を取りにいくのか、600点を取りにいくのかによって対策法は違ってきます。
同じ600点を目指すにしても、リスニング300点、リーディング300点で600点を取ろうとしているのか、350点、250点で行くのかによっても対策法は異なりますが、はっきり答えられる人はなかなかいません。
自分にあった問題集、自分なりの勉強法、対策法を見つけましょう。
TOEICは、ロッククライミングのように一番急な斜面を登らなければだめだと思われがちですが、その前後左右にも空間は空いているんです。
──これまで2,000人を超える人に英語を指導してきた金井先生から見て、TOEICのスコアが一気にアップする人の共通点はありますか。
はい。
迷いを断ち切って、問題集を絞り、その問題集を徹底して、3周、4周繰り返したあとに、急激にスコアを伸ばす人が多いですね。
問題集は、文法だったり、単語集だったり、2週間程度で1周できるシンプルなものがいいでしょう。
初回から完ぺきでなくてもいいんです。
具体的な方法としては、まず1周目は、わかっていること、知っているけれどあいまいなこと、まったく知らないことを分類します。
その中で、スコアアップのカギとなるのは、「知っているけれど、あいまいなこと」。
単語を例にとると、見たことがあるけれど意味が思い出せず、正解を知ると、「ああ、そうか」となるものです。
それを中心に勉強しましょう。
まったく知らない単語は後回しで構いません。
2回、3回と繰り返すうちに、初めて見た単語がやがて「知り合い」へとグレードアップしていきます。
──900点以上を目指す上級者へのアドバイスをお願いします。
言うならばTOEICのレベルを超えるような力で「穴」をなくしていくことです。
990点(満点)を取っている人は、990点を取りに行っているのではなく、1,500点を取れるような、言うならばメーターが振りきれるような力で満点を取っているものです。
そのためには大量の英語に触れること。
苦行である必要はありません。
ご自分の好きなことで、英語に触れればいいんです。
また、中華〜上級者の方には英語音声を聞いて書き取る、ディクテーションをお勧めしたいですね。
頭の中で英語を再構築しなければならないので、かなり力は付きます。
TOEICのリスニングセクションの、パート1から3をイメージしながら書き出してみましょう。
“Have a nice day”が「ハバナイスデイ」と聞こえるリエゾン(連音)に慣れる効用もあります。
パート3、4の会話やナレーションの部分を、ナレーターと同じ速さで発音してみるのもいいでしょう。
900点以上の人にとってもなかなか難しくて、自分が録音したものを聞き、あまりの下手さにショックを受ける人も多いんですよ。
──留学経験のない金井さんは、どのようにして英語力を伸ばしたのですか?留学経験もない、英文科卒でもない、夫も普通の日本人、父親の転勤もない──。
ないない尽くしがコンプレックスでしたが、逆にそれがモチベーションになり、今では、“Where did you learn English?”と聞かれるのがおもしろくなりました。