奥様はコマガール (61) 夫婦における亭主関白関係の築き方

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いきなりで恐縮だが、10月上旬に僕の新刊小説が発売される。

タイトルは『虎がにじんだ夕暮れ』(山田隆道 / PHP研究所)。

1980年代〜00年代の大阪を舞台に、熱狂的な阪神ファンのパワフルじいちゃんと少し頼りない孫の少年、そして二人が暮らす三世代家族の18年間にも及ぶ「ある悲喜劇」をリアルに描いた、涙と笑いの家族小説……のつもり。

今回はハードカバーを予定しているため、気合いの入り方が違う。

はっきり言って、自信あります。

家族の物語なので、日本人ならどなたでも楽しめるはず。

あ、すでにアマゾンで予約が始まっているみたいー。

露骨でごめんなさい。

さて、その小説の中でも夫婦の関係や恋愛の悲喜交々をたっぷり詰め込ませていただいた。

こういう恋愛・結婚をテーマにした連載をやらせていただいているのだから、当然といえば当然だ。

やはり男女の関係は、何を切り取ってもおもしろい。

特に最近の僕が関心を寄せているのが、夫婦間のパワーバランスについてである。

要するに、夫と妻のどちらが上に立つかということだ。

夫婦関係とは、このいずれかのパワーバランスによって成り立つことが多い。

「亭主関白orカカア天下」ということだ。

僕と同じ男性にしてみれば、そりゃあ圧倒的に亭主関白のほうが好都合だろう。

特にまだまだ遊びたいさかり(浮気という意味ではないよ)の20代〜30代の男性にとっては、奥様の尻に敷かれるような、いわゆるカカア天下になってしまうと窮屈でしょうがない。

結婚後もそれなりに友達と夜遊びしたり、時にはキャバクラぐらいには行ったり、そういう自由を満喫しようと思ったら、奥様との亭主関白関係を築くしかないわけだ。

ちなみに昭和を代表する名俳優・勝新太郎(故人)は中村玉緒という良妻がいながらにして、その妻に堂々と浮気を公認させていたという。

中村玉緒曰く、いくら勝新太郎が外で浮気をしようとも、最終的に自分のところに帰ってこればいい、だとか。

なるほど、これぞまさに「男は船、女は港」の考え方である。

大海に船出して、色んな島(女)に立ち寄ってくるのはいいが、あくまで帰ってくる港は奥様ということだ。

確かにこういう亭主関白関係はうらやましい。

健康的な男性なら、浮気とまではいかなくても、せめてキャバクラぐらいは奥様に容認させたいところだろう。

なお、これはあくまで一般論です。

僕が遊びたいというわけではありません。

さて、そんな亭主関白関係の築き方だが、ここで大切なのは奥様と結婚した当初のころである。

初期段階で夫の権利を妻に大きく認めさせる。

要するにこれは、男女の権利を巡った陣地取り合戦みたいなものであり、その戦いに勝つためには最初が肝心なのだ。

具体策としては、まず目標設定である。

たとえば「キャバクラくらいは妻に認めさせたい」などと、夫が最低限勝ち取りたい陣地(権利)を心の中で明確にしておくことだ。

そして、いざ勝負である。

その目標を設定したうえで、それよりもはるかに「ランクが上の傍若無人な行為」を、あえて妻に平然と宣言してみるわけだ。

「今度、友達から風俗に付き合ってくれって誘われているから行ってくるね」自分で書いておいてなんだが、さすがに無茶苦茶な発言である。

これを容認してくれる妻は、世の中にそういないだろう。

したがって、奥様が「なにわけのわかんないこと言ってんの? ダメに決まってんじゃん」などと冷たく言い放つことは想定の範囲内だ。

それに対して夫は「わかったよ。

おまえのために断わるから」と素直にしたがえばいい。

ここでの目的は、奥様の脳裏に「旦那を束縛した」という記憶を刻んでおくことだ。