平均的な年収、平均的な外見、平穏な性格…

写真拡大

婚活業界が、こぞって「三平(さんぺい)」という言葉を流行らそうとしている。いま注目の「結婚相手の新条件」で、平均的な年収、平均的な外見、平穏な性格、という特徴を持つ男性の人気が急上昇しているということらしい。

言うまでもなく、バブル期の「三高」(高収入、高身長、高学歴)と対比させたものだが、結婚情報サービスが発表した調査結果をつぶさに見てみると、女の子たちの欲望は「三平」とはかけ離れている気がしてならない。

希望年収「682.7万円」なんて強欲すぎる

結婚情報サービス大手ノッツェの調査で、20〜50代の女性320人に「結婚相手の条件として希望に近いもの」を選ばせたところ、いわゆる「三平」が「三高」や「三低(低姿勢・低依存・低リスク)」を抑えて圧倒的な1位となった。

「三平男子」の支持率は、72.8%。「三高男子」(19.1%)の3.8倍にものぼり、4人中3人が「三平がいい!」と表明していることになる。これだけ見れば、

「日本女性のギラギラした欲望が落ち着いて、中庸を好む『やまとなでしこ回帰』が起こっている!」

なんて言い方もできるかもしれない。

しかし細かく見ると、実態はそうとも言い切れない。「三平男子」を支持しているはずの女性たちに、結婚相手に求める希望年収を聞いたところ、平均で682.7万円、最低でも427万円は確保したいという。

社会学者・山田昌弘氏の研究報告によると、東京ですら年収600万円以上の若い独身男性は3.5%しかいないという。「682.7万円」は、間違いなく高収入だ。日本のサラリーマンの平均年収は412万円。男性でなくとも、オンナの偽善に呆気に取られてしまう。

結婚相手の恋愛面でも、積極的にリードする「肉食系」の支持が圧倒的で87.2%。消極的な「草食系」はわずか12.8%で、およそ8人に1人しかいない。結局は自信満々で、押しの強いオトコを欲しているのではないか。もしも本当に「平穏な性格を希望」しているのなら、草食系の支持はもっと高いはずだ。

女性たちの「ハードル」を下げさせるキャンペーンでは

さらにひどいのは、結婚相手として離婚経験者をどう思うか、に対する回答。「離婚経験者の方がいい」「どちらかというといい」を合計すると、半数近くの48.4%になる。年の差は8.1歳上までいけるらしい。

「年収1000万円以上の男はもう諦めたけど、平均的な年収じゃ絶対にイヤ。恋愛に慣れていて女性の扱いがうまく、ある程度のお金を持っていてチヤホヤしてくれれば、オジサンでもOKかな!」

といったところだろう。別にそれが悪いとは決して言わないが、これの何が「三平」だというのか。

景気のよい時期に羽振りよく遊んだ中高年の男性が、複数回の結婚をする一方で、就職先もままならず、ようやく入った会社で給料が上がらない若者が、恋愛とは遠いところに追いやられている様子も見えてくる。それを支えているのは、いまどきの若い女性のホンネなのだ。

別の結婚情報サービス大手・オーネットの調査でも、希望年収こそ503万円と下がるが、平均より上なのには変わりがない。理想の結婚相手を芸能人で例えると「向井理」が1位。理想の結婚相手の職業は、安定の「公務員」が1位で、「医師」や「会社経営」など高収入の職業が続く。

女性たちの強欲さが男性の実態とあまりに合っていないので、婚活サービスがあわてて「いま、三平男子が熱い!」とキャンペーンを張り、結婚相手に求めるハードルを下げようとしている――。憶測に過ぎないが、そんなうがった見方をしてしまう。(池田園子)