米ニューズウィーク誌アジア版の最新号(10日付)に、「韓国対日本、岩の上の外交」と題する竹島(韓国名:独島)問題を扱った記事が掲載されたが、その内容が日本の一方的な視点だとして、韓国内で物議を醸している。韓国政府も遺憾の意を表明し、反論していく方針だという。複数の韓国メディアが報じた。

 韓国メディアは、「米ニューズウィークが日本の立場を代弁する竹島の記事を掲載し、論争に」「韓国政府、ニューズウィークの記事について“残念、適切な方法で反論”」などと題し、ニューズウィークがアジア版の最新号のカバーストーリーに、日本に偏った竹島関連の記事を取り上げたことについて議論が起こっていると伝えた。

 ニューズウィークのアジア版最新号に掲載された今回の竹島の記事は、日本の右翼の視点とニューズウィーク日本版編集長の立場を一方的に伝達したと指摘。

 ニューズウィーク日本版編集長の横田孝氏は、この記事で竹島問題について「日本は国際司法裁判所(ICJ)で問題を取り上げようとする立場だ」と伝え、「武力で島を占領した」「韓国が非理性的な態度を見せている」など、日本の右翼の見解を一方的に伝達したと伝えられた。

 また、横田氏は「暴走する韓国」「その不可解な思考回路」のような刺激的なフレーズをタイトルとして副題にし、終始、韓国の立場を批判した。

 一方、ニューズウィークの韓国版のソ・ジョンヒョン編集長は6日、「私たちが竹島の記事を載せない理由」という記事を掲載し、「(横田編集長の記事は)日本の右翼が喜ぶ論調であり、公正かつ正確な報道とは距離がある、事実の歪曲(わいきょく)」だと指摘。

 ソ編集長は「ニューズウィークのアジア版は、韓国の視野を反映せず、日本に極めて友好的な視点で竹島問題を報道した。非常に残念だ。そのため、ニューズウィーク韓国版には、アジア版の表紙の記事を翻訳して載せなかった」と付け加えた。

 また、韓国政府は同誌が日本に偏った竹島関連の記事を掲載したことについて、強い遺憾の意を表明した。趙泰永(チョ・テヨン)外交通商部広報官報道官は、6日の定例記者会見で、「ニューズウィークの記事は誤りであり、非常に偏った見解に立ったもので、そのような報道が出たことは遺憾。適切な方法で反論していく」と述べた。(編集担当:李信恵・山口幸治)