アナタの知らない効果的なお薬〜二日酔いは漢方で防ぐ・治す




「なんで昨日あんなに飲んじゃったん……ウッ!」。痛飲した翌日、誰もが思うことでしょう(もちろん筆者も)。飲みすぎなければいいのはわかります。が! そうは言っても、ついつい……。そんなお酒好きの人に知っていただきたいのが漢方薬です。今回は、中国の学会などにも招かれる東洋医学に精通した玉川学園の岡田医院院長、岡田研吉先生に「二日酔いに効く漢方」をおうかがいしました。



■二日酔いの漢方選びは至ってシンプル



漢方は、言ってみれば「オーダーメイドな治療法」。本人の証(しょう:背格好や体質、性格ほか、さまざまな個人の特徴から総合的に判断した東洋医学的分類法)や、時々刻々と変化する病状から最適な漢方薬をチョイスする。ということは、二日酔いの場合も細かい分類があるんでしょうか?



「いや、二日酔いの場合は基本的に急性の熱症状と考えられますから、本来の証よりも、そのときの症状から判断していいでしょう」(岡田先生)



ではでは、以下、主な処方をご紹介していきます。



■のどの渇きには水分代謝をよくする「五苓散」



「二日酔いの症状で多いのは、吐き気や腹痛、さらにのどの渇きや尿量の減少があります。こうした症状に効果的なのが『五苓散(ごれいさん)』です」(岡田先生)



この処方を選ぶ際のポイントとしては「のどの渇き」「水をガブガブ飲む」「飲んでもすぐ吐き出してしまうことが多い」「嘔吐(おうと)、下痢、むくみなどの症状がある」「おなかからちゃぷちゃぷと音がする」「尿の量が少ない(水を飲んでいるにもかかわらず)」などが挙げられます。



「こうした症状が出るのは、飲み過ぎによって胃腸の機能が低下し、本来、体内の水分が代謝される通り道ではないところに余分な水分がたまっているからです。



そこで五苓散に含まれる生薬の『沢瀉』『猪苓』『茯苓』『白朮』が水分代謝を促進することで、体内の余分な水分を排出させ、不調を改善してくれます」(岡田先生)



■熱感が強いときは冷やす「黄連解毒湯」



「顔が赤く、全身の熱感が強い。さらに便秘傾向がある場合は『黄連解毒湯(おうれんげどくとう)』が適していると思われます」(岡田先生)



この処方では「目の充血」「口の中が苦い」「のぼせる」「非常にのどが渇く」といった、要するに「全身的な熱症状」があることが、選択の決め手となるそうです。



「黄連解毒湯は、配合されている4つの生薬すべてが冷やす作用を持っています。二日酔いのほか、全身あらゆる部位の、熱によって生じる症状全般に対して広く用いられる処方です」(岡田先生)



また、この処方は、二日酔いになってからはもちろん、なる前(飲む前)に飲んでおけば、予防にも働きます。



■胃腸症状がメインのときの処方



ここまでに紹介した2処方が「二日酔いのファーストチョイス漢方」となります。この2つで、ほとんどの二日酔いはリカバーできると思われますが、今回はさらに「胃腸の不調」が強い場合の処方を2つ挙げていただきました。



「ひとつは『半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)』、もうひとつが『安中散(あんちゅうさん)』です。



前者はもともと胃腸の消化機能が弱い方で、悪心や嘔吐(おうと)があり、かつ『みぞおちのつかえ感』がある場合に有効な処方です。後者も日ごろから胃が弱っている方向けなんですが、こちらは胃の痛みが強い場合に用いると効果的です」(岡田先生)



ツライ二日酔いは漢方をうまく使えば、スッキリ解消できますね。でも、一番大切なのは飲み過ぎないことです。お酒は適量で楽しみましょう。



(OFFICE-SANGA 岩井浩)