あなたは現在一人暮らしですか? それとも、実家暮しですか?

 日本における「家族のかたち」はここ数十年で大きく変わったといえます。世帯構成員の数だけを見ると、1960年には4.14人いたにも関わらず、2010年には2.42人と激減(総務省「国勢調査」平成22年度)。家にはおじいちゃんやおばあちゃんがいる直系家族も多かった時代は、懐かしいものになってしまったのです。

 核家族化の進行だけでなく、非婚・離婚率も右肩上がりとなっています。その結果、どんどん家のなかの人の数が減っている状況なのです。日本全国の世帯構成の比率を見てみると、1位は一人暮らしの29.5%で、2位は二人暮らしの26.5%(総務省「国勢調査」平成22年度)。この2つを合わせると全体の60%にもなります。驚きのある数字となりました。

 家の中には人がたくさんいる方が良いのか、それとも、一人暮らしの方がいいのか......。どちらにせよ、このインパクトある数字は、これからの「家づくり」を考える時に重要なキーワードになるといえます。私たちが思い描いていた「家」の姿は変わりつつあるのです。

 少子高齢化が進み、エネルギー政策が見直されるいまの日本に合う「家」とはなにか、隈研吾、塚本由晴、LIXILら21名+12社が語った書籍『新しい常識で家をつくろう』では、私たちの暮らしの「少し先」について語られています。

 例えば、忙しく働きながらの一人暮らしは、洗濯や掃除がとても面倒です。そこで、家の機能を向上させたり、家事サービスの支援が付いてくると、一気に生活が楽になるのではないでしょうか。一人暮らしが自由で快適なものになります。そんな需要を汲み取った集合住宅が今後、生まれてくるかもしれません。

 また、ソーシャルネットワークが浸透したことにより、人とのつながり方が随分と変わってきました。WEB上でつながる人も多く、単純に「一人暮らし=寂しい」の図式は成り立たないようになったのです。

 また、「住まい」について、同署では最近の傾向を下記のように紹介しています。

 「住宅不動産も徐々に平熱の価格に落ち着きはじめています。不動産の高騰を前提とした金融業的な不動産ビジネスはその仕組みを変えはじめていますし、買う側も家を投機対象とは考えず、生活に必要な買い物として『住まい』を見るようになってきたのです。ですから中古物件を購入して徹底的に改装し、ライフスタイルと住まいのかたちを合致させようという近年の傾向は単なる流行ではありません。自分たちの幸せをきちんと見定め、それを『住まい』として実現できる『住宅リテラシー』が徐々に成熟を見せはじめているのです」

 ここ数年で、私たちは「住まい」について、フレキシブルに考えることができるようになったのではないでしょうか。今後増えるであろう1人での生活。あなたは「住まい」に何を求めますか?



『HOUSE VISION 新しい常識で家をつくろう』
 著者:原研哉,HOUSE VISION実行委員会
 出版社:平凡社
 >>元の記事を見る



■ 関連記事
月に300冊を手に取る佐藤優氏 「限りある人生」を楽しむための読書法を指南
1990年生まれの女性、「生涯未婚率」は23.5%、「離婚経験率」は36%に?
許せない他人の言語感覚「そうなんですね」


■配信元
WEB本の雑誌