スネ夫がCMでイケメンになれた理由

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 「スネ夫みたいだね」
 こう言われてホメられた気がする人は少ないでしょう。
 『ドラえもん』に出てくる「スネ夫」と言えば、おべんちゃらを使い、自慢ばかりして、人の陰口を叩く“イヤな奴”として描かれる場面が多いかもしれません。

 しかし、スネ夫をよく観察してみると、良い面もたくさんあり、私たちが参考にしたいことも、たくさんあるのです。つまり、スネ夫は実は案外“いい奴”で、自分も周りも幸せにさせる力があるのです。
 『ドラえもん』の研究者でもある横山泰行さんは、このことに早くから気づいていました。そこで、スネ夫をモデルに、「人間関係を円滑にして、戦略的に生きる方法」を提唱します。その集大成となるのが、この度発売された『「スネ夫」という生きかた』(アスコム/刊)。

 さて、実際にスネ夫からはどんなことが学べるのでしょうか? 『「スネ夫」という生きかた』から、2つばかり例を抜粋してみましょう。


■「ホメて」気に入られるスネ夫の気配り

 スネ夫の言うことには、お世辞やおべんちゃらが多いかもしれません。しかし、これを「ご機嫌取り」と片づけてしまうのは、あまりにももったいない。スネ夫は相手の長所を効果的に指摘することで、相手の気分を良くして、いい空気を創り出しているのです。

 このことは、ジャイアンの“新曲”について「ききたいききたい。どうせきかされるなら、いやなことは早くすませたい」とうっかり本音を漏らしてしまったのび太が殴られ、「いつ新曲ができるかと、まちくたびれちゃったよ」言ったスネ夫は助かったエピソード(コミックス32巻「腹話ロボット」)からも明らか。ジャイアンに対する気配りが伺えます。

 「ホメる」ことは人間関係を築くための基本でもあります。本心でなくても、何かしらホメることで、相手から好かれたり、相手を幸せな気持ちにすることができます。
 本音をぶつけ合うだけが、コミュニケーションではありません。人間関係にあつれきを生んだり、不利益を被りやすいですから。
 良好な人間関係を築くことが大事な場面は、プライベートだけでなく、仕事でもたびたび遭遇します。そこで、少しでも相手を気遣う一言があるかないかで、今後の付き合い方も大きく変わるのです。

■人を幸せにするスネ夫の気の利いた一言

 人をいい気分にさせるスネ夫のトークスキルは、異性が相手でも発揮されます。
 それを表すエピソードが、コミックス12巻「ウラオモテックス」。

 スネ夫が美しいバラを持って、しずかちゃんの家に向かいます。窓から彼女を呼び出したスネ夫が、ウインクしながらそのバラを差出すと、しずかちゃんは「まあ、いつもありがと」と素直に喜びます。それを聞いたスネ夫は「きれいな花はきれいな人にこそふさわしいのさ」というセリフを残してその場を立ち去ったのでした。

 その後のしずかちゃんとの会話を見ると、スネ夫は相手を喜ばせるポイントを心得ていることがわかります。いささかキザではあるかもしれませんが、相手をいい気分にさせてもてなすスネ夫のスキルを身につけておくと、役立つ場面は多いはず。
 プレゼントを渡すだけでなく、渡し方こそ大事です。タイミング、気分、場所など、あらゆるものが問われるわけで、スネ夫はそれらをわきまえていると言えます。


 スネ夫はまた、夢を追い求め、前向きに生きる姿もよく我々に見せてくれます。
 例えばスネ夫は、自分の顔にかなりの自信を持っています。それもあってか、『ドラえもん』のキャラクターの20年後を描いたテレビCMでは、スネ夫は山下智久さん(元「NEWS」)が演じていたというように、イケメンになれたのです! 持ち前の前向きな考え方を武器に、充実した人生を送っていることが伺えるワンシーンのような気もします。

 周囲に気配りができて、自分の夢を追い求め達成に近づけることなど、スネ夫からは非常に多くのことが学べます。
 本書には、この他にもまだまだスネ夫の処世術の数々が紹介されています。人づきあいが不器用だと自覚している方も、心が折れそうで夢をあきらめたくなった方も、スネ夫流の生き方を本書から取り入れてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)