美の指導者に聞いた、北海道・東北のオススメ美術館15館

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美術館というと「敷居が高くて入りづらい」、「自分にはちょっと堅苦しい」なんて思っている人もいるかもしれない。

しかし、それは大いなる誤解である。

絵画や彫刻などを楽しむのに、実は難しい知識など必要ないのだ。

理屈など一切抜きに、見る人の心にまっすぐ語りかけてくるのが芸術作品。

肩の力を抜いて気軽に楽しむことで、心がより豊かになるものである。

全国にある数多くの美術館の中から、今回は北海道と東北にスポットを当てて紹介したい。

美術館はそれぞれ個性がある。

所蔵している作品はもちろん、立地場所や規模、施設の造りなど、どの美術館にも個々の特徴がある。

北海道や東北の美術館は、美しい自然や広大な田園地帯に溶け込むように趣向を凝らされた建築も特徴的だ。

土地の風土、魅力、息遣いに包まれながら芸術作品を鑑賞する時間は、えもいわれぬ風情があるもの。

そこで、実際に北海道・東北の美術館を訪れ、そんなぜいたくな時間に身を委ねてきた。

美術館のチョイスには、道内で長きにわたり芸術家育成をリードしてきた、北海道造形デザイン専門学校の栗谷川悠(くりやがわゆう)理事長にもアドバイスをいただいた。

同校は今年で開校50年を迎える名門。

これまでにも、多くの逸材を輩出してきた。

教壇に立つ栗谷川先生はもちろん、国内外の美術館に精通している。

北海道には大小様々な美術館がある。

札幌だと、希代の天才であるピカソに多大な影響を与えたエコール・ド・パリの作家のひとりであるジュル・パスキン、北海道第一号の芸術家とされる林竹次郎などの作品が所蔵されている「北海道立近代美術館」。

または、巨大な公園自体が作品の集合体である「モエレ沼公園」などがオススメだ。

そして、これぞ北海道を代表する美術館といえるのが「札幌芸術の森」。

当館は広大な森の中に40ヘクタールもの敷地を有している。

屋内外に様々な作品を展示しており、さながら芸術作品のテーマパークのような趣がある。

風景と見事に融合した作品を鑑賞する内に、いつしか観賞している自分までもが自然と一体化していくような不思議な感覚を覚えるはずだ。

道内には札幌以外にも、たくさんの美術館がある。

ユニークなのは、上富良野町にある「上富良野トリックアート美術館」。

あっと驚くトリックアートや思わず吹き出してしまうような作品など、数多く展示されている。

常設作品などに関係なく、理屈抜きに土地の雰囲気やにおいを感じられること…それこそ、美術館の魅力のひとつかもしれない。

東北には歴史や人の営みを感じさせてくれる美術館が多いというのが、個人的な感想だ。

「青森県立美術館」では、棟方志功(むなかたしこう)や寺山修二といった、地元が排出した多くの個性的な芸術家の作品を、一同に鑑賞できるのが魅力だ。

また、シャガールやレンブラント、ピカソなど海外の有名作家の作品も所蔵されており、様々なタイプの名作に触れたい人にはぴったりである。

同じく青森にある「十和田市現代美術館」は地域と連携して、美術館の近隣一帯をアーティスティックな景観に仕立てるプロジェクトをスタートし、2010年に完成した。

芸術が十和田の美しい自然と人の営みを一体にする橋渡し役として機能した、世界的にも珍しい空間になっている。

「秋田県立近代美術館」には、解体新書の挿絵を担当した画家・小田野直武の作品をはじめとした、様々な作風の日本画が所蔵されている。

同じ日本人でもその時代や手法・センスによって、作風はガラリと変わる。

そんな違いを比較してみるのも面白いかもしれない。

「横手市増田まんが美術館」は「秋田県立近代美術館」と同じ横手市にある、全国で初めての漫画をテーマにした本格的な美術館。