佐賀・有田の「焼き物の里」でお宝・掘り出し物をゲットする方法

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佐賀県有田町は400年の伝統がある焼き物の里。

ここで焼成された磁器は江戸時代、ヨーロッパに輸出され、「伊万里(いまり)焼」と呼ばれて人気を呼んだ。

一点数百万円する作家のものから数百円で買える日用品まで、幅広く焼き物がそろうこの町。

いいものを探すコツはないものか、現地を訪ねてみた。

江戸時代から残る古い町並みにたくさんの窯元や陶器問屋、陶器店などが集まる有田町。

毎年ゴールデンウイークに行われる陶器市は、人出ランキングのなかで常にトップクラスにあるが、普段はのんびり人が行き交う静かな町だ。

まずは気ままに散策しながら店をのぞいてみよう。

店頭には手ごろな湯飲みや茶わんがいろいろ置かれているが、薄暗い店の奥には一点数万円というお宝ものの焼き物が無造作に飾られていたりもする。

テレビの鑑定番組でごくごく普通に見える茶わんに「いい仕事してますね〜」といって高い値段が付いたりするけれど、この町だったらそんなお宝にも出合えるかもしれない。

でも、いい焼き物って分からない。

同じように見える茶わんでも数百円ものがあったり2万円なんて値段が付いていたり、どんな基準になっているのだろう? 奮発して高い器を買ったものの、実はさほどいい品ではなかった、なんてことはないのだろうか?そうした不安を解消すべく、ご当地の焼き物通に焼き物の選び方をご指南いただくことにした。

お訪ねしたのは、長年にわたり有田の窯業界で活躍され、現在は有田町観光協会事務局長を務めておられる筒井孝司さん。

早速お話をうかがうと、「まず、有田では価値に合わない値段をつけることはありませんのでご安心を。

いい品はそれなりの理由があるんですよ」。

やはりそうなんだ。

「絵付けの色使いが多い、または描写が細かいものは、それだけ熟練工の手間と時間がかかりるので高くなります。

焼き物の世界では、これらを『絵手間』といいます。

複雑に見える絵でも、転写といって磁肌に絵を印刷したものは安いはずです」。

なるほど、なるほど。

「また、シンプルな無地の器でも、ろくろを使って一つひとつ作ったものと、工場で量産したものでは当然、値段は違います」。

でも、どうやって見分けるのですか? 「手作りのいい品は磁肌がなめらかで、手に持った時の軽さや感触が全く違います。

それに平らなところに置いてもカタカタいわず、すわりがいいんです」。

では、絵付けはどのように見たらいいのでしょう? 「同じような絵柄のものを並べて線描きの部分をよく見比べてください。

手書きものと転写ものは線の勢いや太さに違いがあって、なんとなく分かるはずです。

また、手書きは白地の部分に汚れや絵の具の飛びがないかなどをチェック。

転写ものでも気に入った品が見つかったら、絵柄にズレがないかだけは見極めましょう」。

少しは見分けるコツがつかめたような気がします。

ところで、安く買うコツってあるんですか? 「有田の直売店では流通費用が加算されない分、2〜3割はお安くなっていますから、有田に来るだけでお得に買い物ができるはずです。

もっと安く買いたいなら、陶器市においでください」。

やはり陶器市が狙い目か。

市では陶磁器店が在庫品や等外品を蔵ざらえ、つまり処分するために格安で販売される。

なかには数万円もする器が半値以下で出されることもあるというから、お宝探しにはもってこいだ。

では、陶器市でいい焼き物を見分けるコツを教えてください。

「陶器市では、いろいろな理由で出荷できない品が並びます。

例えば、製造中どうしても出る不良品とか半端品などで、10点セットのうち1点だけ絵付けの色が少し薄かったというようなものですね。

また、カタログから外れてしまった旧作品や量産する前に作るサンプル品といった面白い品も見つかりますよ」。

さらに耳寄りな情報として、上級品やセットもの狙いなら品数が豊富な初日に、格安品を狙うなら最終日がいいとのこと。

値切りも楽しみのひとつだから、無理のない範囲で楽しんでとアドバイスもいただいた。

でも、ゴールデンウイークまで待てない。

ところが11月には有田焼の新作発表を兼ねたイベント「秋の陶磁器祭り」が行われるという。

残念ながら格安販売はないそうだけれど、まだ世に出てないデザインに出合えるのだとか。

目を肥やす修業も兼ねて、これは行かなくちゃ。

●information秋の陶磁器祭り 日時:11月22日(木)〜11月26日(月) 場所:JR有田駅前から上有田駅一帯 問い合わせ:有田観光協会