「急須」で美味しいコーヒーをいれる方法




朝の目覚めや仕事の休憩中に、コーヒーを飲むとホッとしますよね。インスタントよりもドリップコーヒーのほうが香りもいいですが、狭いキッチンではコーヒーメーカーを置く場所がないことも。特別な道具がなくても、手軽に美味しいコーヒーを楽しめたらうれしいですよね。そこで今回は、老舗の喫茶店の店長・Sさんに、急須を使ってコーヒーをいれる方法を教えていただきました。



■お茶をいれるだけの道具ではない!?



――急須といえば日本茶をいれる道具だと思うのですが、コーヒーにも使えるのですか? 茶こしからコーヒーの粉が落ちてしまったり、ニオイが残ってしまいそうですが……。



「急須に粉はいれませんよ。お湯を注ぐ道具として使います。ハンドドリップでコーヒーをいれるときには、鶴口といわれる注ぎ口が細いポットを使うのですが、急須はその代用品になるのです。



鶴口ポットは2,000〜3,000円と高価で、コーヒーをいれることが趣味というわけでなければ買うのはためらいますよね。また、意外と重いので、初めてハンドドリップに挑戦する女性にはうまく扱えないこともあります。



急須なら軽いですし、100円ショップでも購入できるので、手軽にハンドドリップコーヒーを楽しめますよ」(Sさん)



――ほかに必要な道具はありますか?



「ペーパーをいれるドリッパーと抽出したコーヒーを受けるサーバーが必要です。どちらも最初は100円ショップで販売されているものでかまいません。ハンドドリップのコツをつかめば、ドリッパーをカップに直接のせていれることもできるようになりますよ」



■本当に急須でコーヒーがいれられるのか?



――それでは、コーヒーのいれ方を教えてください。



「まず、お湯を沸かし、保温ポットに入れます。コーヒーをいれるのに最適なお湯の温度は80〜90℃。温度を一定に保てる電気ポットがオススメです。



次に急須やドリッパー、サーバーをお湯であたためます。サーバーの下にふきんなどを敷くと、コーヒーが冷めにくくなりますよ。カップもあたためておいたほうがいいですね。



ドリッパーにフィルターをセットし、粉をいれたら、急須にお湯を注ぎます。粉はカップ一杯につき10〜15gが目安。平らにならした粉の中心から、しめらせるように少しずつ注いでください。新鮮な豆を使用していれば、ふっくらと膨らむはずです。ここで30秒間、蒸らします。このとき、急須にお湯が残っていれば、それは捨ててしまいましょう。



蒸らし終わったら、中心から『の』の字を書くようにお湯を細く注いでいきます。一度にたくさん注いでしまうと、お湯が粉を通る時間が短くなり、薄くなってしまうので気をつけて。また、粉とフィルターの間までお湯を注いでしまうと、雑味が出てしまいます。最後に粉がすりばち状になっていれば、上手にいれられた証拠です。



お湯が全部落ち切る前に、次のお湯を足してください。3分間でドリップが終わるようにするのがポイントですね。時間がかかりすぎても、コーヒーがぬるくなってしまい、美味しくなくなってしまいます。



人数分のコーヒーが落ち切ったら、お湯が残っていてもドリッパーをはずしましょう。最初は目盛りのついたサーバーを使えば、どこまでいれたらいいかがわかりやすいですね」



■「美味しい」基準は人それぞれ



――自分に合ったコーヒー豆を選ぶコツはありますか?



「コーヒーは嗜好(しこう)品ですので、高いから美味しいというわけではありません。コーヒーの王様ともいわれるブルーマウンテンは、香りも高くバランスのとれた味わいですが、飲み口が軽いので物足りないと感じる方もいらっしゃいます。どのようなコーヒーが飲みたいのか、お店の方に相談するといいでしょう。



コーヒーの味は大きく、酸味・中口・苦みにわけることができます。一般的には浅いりの豆は酸味が強く、深いりの豆は苦みが強いです。コーヒーの酸味が苦手という方も多いのですが、上質な豆ならフルーティーな香りですっきりといただけます。酸味コーヒーの代表格であるモカをたてているときは、まるで洋酒のような芳醇(ほうじゅん)な香りを楽しめますよ。



浅いりの豆は高温で、深いりの豆はやや低めの温度のお湯でいれるといいでしょう。ハンドドリップなら、お湯の温度も濃さも自分好みに調節できるのでオススメですね」



■夏でもホットで!



――コーヒーは体を冷やすというのは本当でしょうか?



「暖かいところでとれたものは体を冷やし、寒いところでとれたものは体を温めるといわれています。コーヒーの産地は南国ですので、体を冷やすといわれています。そのため、夏には最適な飲み物といえるでしょう。ただし、体を冷やしすぎることはよくありませんので、一日に何杯も召し上がる方はとくに、夏でもホットをオススメします」



冷え性の女性は、アイスコーヒーを飲みすぎないように気をつけたいですね。



コーヒーはいれ方ひとつで味がかわる繊細な飲み物ですが、自分でいれればより好みの味に近づけることができます。知るほどに奥深いコーヒーの世界。極めてみたくなりました。



(OFFICE-SANGA 丸部りぃ)