移籍や卒業がニュースになるAKB48は宝塚になれるのか

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AKB48は、初の東京ドーム公演『AKB48 in TOKYO DOME 〜1830mの夢〜』を開催すると共に、大掛かりな組織変更を発表した。その中にはジャカルタ(インドネシア)のJKT48や、上海(中国)のSNH48への移籍もあるなど、従来の予想を超えたものとなった。普通、アイドルのニュースと言えば、公演内容をはじめ、新曲発表やセール記録などが挙げられるが、AKB48でもミリオンセラーのニュースがあるものの、それ以上に研究生の加入や卒業、ソロデビュー、チームの移籍などがニュースになることも多い。




ここで筆者が思い出すのが宝塚歌劇団だ。音楽学校の合格発表や入学、歌劇団への配属や組み替え、そしてトップスターの就任や、歌劇団からの退団がニュースになっている。




では、肝心の公演は何をしているのかと言えば、知らない人が多いだろう。例えば、宝塚の演目を聞かれて『ベルサイユのバラ』くらいは答えられるかもしれない。では「5つ以上」と問われて、すんなり挙げられる人はどのくらいいるだろうか。AKB48も露出度は高いものの、5曲以上の曲名を答えられる人は多くないのではないだろうか。




約100年の歴史を持つ宝塚歌劇団も、全てが順風満帆であったわけではない。太平洋戦争時の劇場の閉鎖や活動の縮小、映画やテレビの盛り上がりによる低迷もあった。また96期生のいじめに端を発した訴訟問題もある。最近ではファンの高齢化や観客動員数の減少も話題になっている。AKB48も不祥事と処分の繰り返しがあり、CD売り上げの鈍化も指摘されている。




植物の世界では、じっくり時間をかけて育ったものは朽ちるのもゆっくりだが、短期間で育ったものは朽ちるのも早いという。宝塚は100年かけて成長してきただけに、そう簡単に衰退するとは思えない。大掛かりな改革までいかないまでも、ゆっくり軌道修正すれば、なんとか立ち直ることはできそうだ。そもそも、宝塚歌劇団に代わる存在が見当たらない独自性も強みだろう。




これに対して、AKB48以外のアイドルグループはたくさん存在する。さてAKB48は宝塚まで成長することはできるだろうか。