「FINAL FANTASY」(以下「FF」)シリーズ25周年を記念して、9月1日(土)、2日(日)の2日間、渋谷ヒカリエにて行われた『FINAL FANTASY展』。開催2日目に行われた、「FINAL FANTASY VII」(以下「FFVII」)15周年記念ステージの模様をお伝えする。

イベントにはクラウド・ストライフ役の櫻井孝宏さん、ケット・シー役の石川英郎さん、ザックス・フェア役の鈴村健一さんが登壇し、当時の模様を振り返りつつ、思い出を語ってくれた。


■オープニング

拍手の中登場した3人は、発売から15年経ったことや、第1作の「FINAL FANTASY」の発売から25年経ったことに驚いていた。当時からFFシリーズをプレイしていた鈴村さんは、「『FINAL FANTASY II』の発売前には眠れませんでしたよ!」と興奮気味に語る。




また、3人は「FFVII」以外のシリーズ作品にも出演しており、櫻井さんは「FF零式」でクラサメ、鈴村さんは「FFX-2」でギップル、「FF零式」でジャックを演じている。石川さんは「FFX」でアーロン、「FFX-2」でトーブリ、「ディシディア FF」でスコール、「FF零式」でカトルと、なんと5作品に登場。FFシリーズは「いつも秘密のオーディションで大変だった」と当時を振り返った。



「FFVII」関連作品として、携帯ゲーム「Before Crisis-FINAL FANTASY VII-」(2004年配信開始)、PS2用ソフト「DIRGE of CERBERUS -FINAL FANTASY VII-」(2006年1月26日発売)、PSP用ソフト「CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-」(2007年9月13日発売)を紹介。



中でも、クラウド達が世界を救ってから2年後の世界を描いた映像作品「FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN」(2005年9月14日発売)は、ヴェネチア国際映画祭に出品され、櫻井さんが映画祭に出席し話題になった。そのことについて、「夜中にも関わらず、すごいたくさんの人が来てくれましたよ」(櫻井)、「ヴェネチアに行ったことが話題になったよね」(鈴村)、「よく櫻井くんの写真見たよ」(石川)と当時を思い出しながらコメントした。


■アンケートコーナー

ここから、事前に実施したアンケートの結果を発表していく。「印象に残ったシーン」について、1位はダントツだったが、2位以下は表が割れて僅差だったという。

第3位「自身に関する真実を知ったセフィロスが、ニブルヘイムに火を放ち消えていくシーン」
石川:何回見たか分からないです。
鈴村:セフィロスを描く上で絶対に外すことが出来ないシーンですよね。

第2位「オープニング」
鈴村:これは衝撃的でした。当時3Dが一般的でなく、初めてFFシリーズが3Dで表現されたので、引いていくミッドガルの映像など、当時すごく感動しました。

第1位「エアリスの悲劇」
鈴村:夜中の2時にプレイしていて、ひっくり返りました。
櫻井:このシーンは衝撃でした。




続いて「印象に残ったセリフランキング」について。様々な思いがあるようで表はばらけたそうだ。

第3位「ゴールドソーサーでのエアリスとのデートイベント」より
エアリス「ね、クラウド。わたし、あなたをさがしてる。あなたに会いたい」

鈴村:これはドキドキしましたね。友達はバレットと乗りました。本当にこれで良かったのかと(笑)
櫻井:他にもエアリスの「じゃあ、デート1回」というセリフも人気でした。


第2位「エアリスの悲劇の後のセフィロスのセリフ」より
セフィロス「なぜなら、クラウド。おまえは……」
ジェノバ「なぜなら、おまえは……人形だ」

櫻井:クラウドはこれを始め、セフィロスに「絶望を贈ろう」「私は思い出にはならない」などきついこと言われているんです。セフィロス役の森川智之さんの演技が感情が読めなくて怖いですよね。


第1位「エアリスの悲劇の後のクラウドのセリフ」より
クラウド「エアリスは、もうしゃべらない。もう……笑わない。泣かない……怒らない……。俺たちは……どうしたらいい?この痛みはどうしたらいい?指先がチリチリする。口の中はカラカラだ。目の奥が熱いんだ!」

石川:やっぱりこれだろう。
鈴村:インパクト強いですもん。
櫻井:普段クールなクラウドが取り乱すのが印象的ですね。




他にも「FFVII」には名台詞があるということで、その他のセリフを紹介。その中から、ザックスの「夢を抱きしめろ。そして、どんな時でもソルジャーの誇りは手放すな」、ケット・シーの「僕も、この星を守るんや。なんや、照れるなぁ……」、クラウドの「ここに女装に必要ななにかがある。俺にはわかるんだ」のセリフを3人がそれぞれ生で披露すると、観客から拍手が沸き上がった。石川さんが櫻井さんに「1位になるべきのセリフが他にあったやろ」と振ると、櫻井さんは「アンケートの1位とか……“興味ないね”」と上手に名ゼリフへ繋げた。

印象に残ったシーンに関して、「エアリスの悲劇でクラウドが感情を吐露するシーン」「レッドXIIIが父親の真実を知るシーン」「マリンの安否だけを気にするバレットにケット・シーが激怒するシーン」などに寄せられたファンからのコメントが紹介され、15年経っても色あせない思いが伝えられた。


次に開発者から3人へ質問が投げかけられた。



――数多くのFFタイトルに出演して頂き、幅広く演じてもらいましたが、他に演じてみたいキャラクターのタイプはありますか?

石川:どんな役でもやります。女でも(笑)。老けた役をやってみたいかな。年齢制限は50歳以下でお願いします!




――明るくて軽い調子の役をお願いすることが多いですが、ザックスはどういう違いを意識して演じましたか?

鈴村:ザックスは「CRISIS CORE」では、ストーリー上で成長していくんです。前半はより軽い調子を強調しました。ただし、その中で芯がぶれないように演じました。「この主人公は最後にどうなるか分かっているので、その悲劇が際立つように、より明るくしましょう」というオーダーに、どう応じる試行錯誤しましたね。




――クラウドで難しく印象に残っている場面やセリフはどこだったでしょうか?

櫻井:クラウドは「ADVENT CHILDREN」のトレーラー用のセリフが初めてでした。セリフは4つだけだったのに1時間半かかったんですよ。(セリフを)「もう2グラム軽く」などグラム単位の演出で、揺らぎのないキャラクターに変化をつけるさじ加減が難しかったです。その分、完成したものを見た時は嬉しかったですね。セフィロスとのラストバトルは2秒で7アクションしていて、どう演じるか神経を使いました。



ここで、エアリス役の坂本真綾さんから「『FFVII』をプレイしている方、ひとりひとりにエアリスの話し方が根付いていたと思うので、後から声を入れるのはプレッシャーでした。しかし、この役と出会い、海外の『FF』ファンに『エアリスを演じています』と言うと喜んでもらえることが数多くあり光栄です」とビデオメッセージが伝えられた。


■エンディング


最後にプレゼント抽選会が行なわれ、3人から「また他の何周年などで出演出来たら嬉しいです。全部出ますので、呼んでいただけると嬉しいです!」(石川)、「(FFVIIを)振り返れて楽しかったです。歴史があり、これだけ愛されていてすごい作品だと改めて思いました。ザックスのセリフを言うことが出来て嬉しかったです」(鈴村)、「たくさんの人と同じ時間を共有出来るのが嬉しくて、当時の記憶や気持ちを思い出しうるっと来ました。この作品が好きなんだなと改めて気づきました」(櫻井)とコメントがあり、イベントは終了した。





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