WEB発のハイ・ファンタジーが書籍化! 『デビルバスター』作者・黒雨みつきさんインタビュー(2)

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エンターブレインから出版されている『デビルバスター1 至宝の乙女』(黒雨みつき/著、吟/イラスト)は、軟弱でお人よし、「女性アレルギー」という特異体質を持つ傭兵の少年・ティースの鮮やかな成長が描かれるWEB発のファンタジー巨編。

今回は作者の黒雨みつきさんに、この『デビルバスター1 至宝の乙女』についてお話をうかがうことができた。そのインタビュー後編をお送りする。
(ラノコミどっとこむ編集部)

 ◇   ◇   ◇

―ファナについてのお話の中で出てきましたが、ティースには「女性アレルギー」という特異体質がありますよね。

「当初の構想では単に「女性が苦手」という、ティースの頼りないキャラクタを表現するための要素の一つに過ぎなかったのですが、実際に話の流れを考えていく段階で、もっと極端にしたほうが頼りなさが際立つし面白いんじゃないかという軽いノリであんな体質になりました。結果的にですが、ティースはああ見えて女性から好意を向けられることが案外多いので、流されやすい彼が間違ってそっちにゴールインしてしまわないための逃げ道にもなってよかったかなと思っています」

―では、第1巻の登場人物の中で最も愛着のある人物は誰ですか?

「やはりティースとシーラのコンビとは長い付き合いということもあって特別な愛着があります。その二人以外だとほぼ横並びですが、やはりレイ、アクア、レアスといった三人のデビルバスターたちでしょうか」

―この『デビルバスター』はウェブ上でも連載が続いていますが、結末はすでに考えていらっしゃるのですか?

「物語としての流れと結末は決まっています。ただ、個々の行く末に関してはまだ流動的なキャラクタもいて、各人物が私の想定していなかったひらめきを見せて運命が多少変わったりすることはこれまでもありましたし、これからもあると思います」


■頭をからっぽにして楽しんで欲しい

―黒雨さんが小説を書き始めたきっかけについて教えていただけますか?

「1巻の後書きに詳しく書かせていただいたのですが、子供の頃の人形遊びがきっかけです。文章を書くというよりは物語を作りたいというところから始まって、友達が作るゲームのシナリオを書いたりしました。漫画に挑戦した時期もありましたが、絵が絶望的にヘタクソですぐに挫折してます。
小説については小学生の頃からちょこちょこ書いていましたが、当時はほとんど誰にも見せることなくひっそりという感じでした」

―ペンネームの由来はどういったものだったのでしょうか。

「もともとネット上ではずっと「黒い雨」という名前を使っていました。これは名前を考える前日の夜に井伏鱒二さんの『黒い雨』を読んだからという単純な理由です。それからしばらくしてきちんと「氏名」の形にしようと思い、姓の「黒雨」は元の「黒い雨」から、名の「みつき」は昔書いた作品の主人公の名前「御月」から取りました」

―今回、初めての単行本となりますが、出来あがっての感想を教えてください。

「こんな適当な作者の作品でも素晴らしい本が出来上がるんだなと(笑) イラスト・デザインその他もろもろ、本当に素晴らしいプロの仕事をしていただいていると思います。 また、個人的には校正段階で指摘していただいた文章の粗の数々が非常に勉強になりました。 かかわってくださったすべての方々に感謝感謝です」

―好きな作家さんや好きな本、影響を受けた本を教えていただけますか?

「一番多く読んできたのは西村京太郎さんと赤川次郎さんの作品で、最近だと京極夏彦さんの作品をよく読んでいた時期があります。読み手としてはとにかく推理ものが好きで、漫画ですが『金田一少年の事件簿』なんかも大好きでした。
逆にファンタジーものは実はあまり読んでなくてパッと思いつくのはロードス島戦記、風の大陸ぐらいです。ファンタジーの知識はどちらかというとファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどのゲームから影響を受けているかもしれません」

―今後やりたいこと、どんな作品を書いていきたいですか?

「まずはこのデビルバスターを完結させることですが、基本的に作品を通して何かを伝えたいという考えはなくて、とにかく気軽に楽しんでもらえるものをたくさん書いていきたいです。それが皆さんの日々の楽しみになってくれれば嬉しいです」

―最後に、このインタビューの読者の皆様にメッセージをお願いします。

「日常の色々なことはいったんリセットし、頭を空っぽにして楽しんでください。その上でティースの成長と活躍を応援していっていただけたら、生みの親としてはこの上ない喜びです。ここまで読んでいただいてありがとうございました」

(了)