ファンクショナル・アプローチ研究所 代表取締役 横田尚哉  
1964年生まれ。米国GE社で生まれた改善の技術を応用。10年間で総額1兆円の公共事業の改善に乗り出しコスト縮減総額2000億円を実現。著書に『ワンランク上の問題解決の技術』『ファンクショナル・アプローチ入門』ほか。

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一流のプロフェッショナルたちは、何を切り捨て、何に力を注ぎ、どのようにしてチャンスをモノにしてきたのか。有限の時間を効果的に活用するためのノウハウと哲学を公開。

■横田さんからのアドバイス

目標達成をプロジェクトとして捉えてみましょう。どのようなプロジェクトも基本的な進め方は同じで、「段取り→加工→熟成→評価→仕上げ」というプロセスでゴールに近づいていきます。このうちもっとも重要なプロセスは段取りです。

「段取り八分、作業二分」といわれるように、仕事のクオリティは段取りの段階でほぼ決まります。評価や仕上げのプロセスに入ると、改善余地はごくわずか。目標を達成できるかどうかも、段取りの時点で確定するといっていいでしょう。

短期プロジェクトの場合、慌てて加工のプロセスから入り、熟成を飛ばして評価、仕上げにいく人が少なくありません。しかし、段取りを煮詰めないまま作業を始めると、手戻りが起きてかえって時間を要します。期日が近いプロジェクトこそ、段取りをしっかり組むべきです。

もちろん時間的に余裕のあるプロジェクトも段取りは必須です。さらに可能なら、そのまま加工のプロセスに入ることをお勧めします。この段階での加工はラフなもので十分。例えば10枚の資料をつくるなら、全体の構成と一枚目だけ手をつけておきます。

このように一部だけでもアウトプットすると、作業を中断している間にも脳が無意識のうちに情報をつなぎ、ふたたび加工に戻ったときに質の高いアウトプットを生み出してくれる。これが熟成です。時間があるからといって、段取りや加工を先延ばしにしてはダメ。先に手をつけて熟成期間を置くことで、よりよい結果に結びつくはずです。

■倉持さんからのアドバイス

夢の実現には、具体化・数値化が必要です。いくら立派な夢を描いても、漠然としたままでは行動が伴いません。夢がかなった状態を数値で定量化し、それをいつまでに実現するのかを決めてこそ、行動計画へと落とし込むことができます。

長期目標の期日が決まったら、その半分を目安に中期目標を設定。さらに逆算して、短期目標とその実現に必要な行動量を一カ月ごとに設定して手帳に書き込みます。短期目標を一カ月に設定するのは、達成感を早く味わえるから。最初の一歩をクリアできるとモチベーションが高まり、行動を習慣化しやすくなります。

習慣化の目安は3カ月です。短期目標を3回クリアすれば、あとは意識しなくても自然に体が動くはずです。3カ月経っても短期目標をクリアできなければ、行動を間違えている可能性が大です。その場合は別のアプローチで目標達成を模索したほうがいいでしょう。

どちらにしても3カ月経たないと、行動の是非はわかりません。そう考えると、最初の3カ月は当初のやり方でひたすら行動すべき。すぐに成果が出ないからといって方法を変えると、いつまでも成果を出すことができないので要注意です。

■佐藤さんからのアドバイス

目標に長期・短期があるなら、意識すべきは短期目標です。人間は、遠い目標によって自分の行動を律することができるほど強くありません。長期で取り組む必要がある場合も、今日は何をするべきか、一週間後までに何を終わらせるべきかといった短期目標に落とし込み、そこに神経を集中させてください。

長期目標を短期目標に落とし込むとき、自分の能力を過信してキツめの計画を立てるのは危険です。目標を達成できないと、それがストレスになって計画自体を投げ出したくなります。仮に200ページの本を執筆するなら、1日4ページ程度の現実感のある作業量をベースにして計画を立てます。1日4ページなら50日間で200ページを書き終えられますが、突発的に仕事が入ったり病気になって作業できない可能性もあるので、バッファーを10日間取って60日間で計画を組むのです。

長期目標は、計画の途中で変更してもいいでしょう。時代はつねに動いているのに、過去に立てた目標に固執するのはナンセンス。現在の状況に合わせて、目標そのものを変えたり、リスケする柔軟さが欲しいですね。

(村上 敬=文 相澤 正、久間昌史=撮影)