ファンクショナル・アプローチ研究所 代表取締役 横田尚哉 
1964年生まれ。米国GE社で生まれた改善の技術を応用。10年間で総額1兆円の公共事業の改善に乗り出しコスト縮減総額2000億円を実現。著書に『ワンランク上の問題解決の技術』『ファンクショナル・アプローチ入門』ほか。

■横田さんからのアドバイス

仕事を進めるうえで優先すべきは思考の時間です。ところが多くの人は思考の時間を効果的に活用していません。原因は会社という場にあります。一般的なビジネスマンは9時に出社して、残業して帰ります。この間さまざまな割り込み要因が思考の邪魔をします。同僚たちが帰ってから落ち着いて仕事をしようと思っても、そのころには自分も疲れていて思考力が鈍っている。まさに非効率です。

そもそも出社は必要なのでしょうか。出社のファンクション(役割、効用)として、「業務効率を上げる」が考えられます。わざわざ通勤するのは人や資料を一カ所に集めるためであり、一カ所に集めるのは業務効率を上げるためなのです。

ただ、業務効率を上げるというファンクションを満たせば、出社という形にこだわらなくてもいいはずです。そこで出社時間の縛りをなくしてスケジュールを考えてみましょう。

私の場合は、毎朝4時に起床して仕事を始めます。8時に家を出たら喫茶店で仕事。電車がすいてから出社するため、通勤中も座って仕事が可能です。

ここまでが誰にも邪魔されない思考のゴールデンタイム。午後は人や資料が一カ所にあったほうがはかどる事務的な仕事を片付けて、定時の5時には会社を出ます。夕方以降は家族との団欒を楽しんで、10時に寝ます。

出社の縛りをなくすと、このように午前中に思考の時間をまとめることが可能になります。会社の事情で出社をズラせない人も、生活サイクルを早めて思考する仕事を出社前に済ませれば、効率的な時間の使い方ができると思います。

■千葉さんからのアドバイス

1日のスケジュールは5分単位で決定します。ある仕事を30分と設定した場合と25分と設定した場合では5分しか違いませんが、同じようなタスクが5個重なれば25分の時間を捻出でき、タスクをもう一つこなせます。

綿密にスケジュールを組んでも、すべてを予定通りにこなせるわけではありません。正直なところ達成率は7〜8割。ただ、それで十分です。スケジュールなしでゆき当たりばったりで取り組むと、結局は2割程度しか手をつけられない。

スケジュールは、いわば努力目標です。片付かなかった仕事は、翌日以降に繰り越します。とはいえ、繰越率は少しでも小さいほうがいい。そこで苦手な仕事の予定は早い時間帯に入れます。好きな仕事から先にやると、夕方以降に苦手な仕事を残すことになり、「今日は無理せずに帰ろう」になってしまいがち。エネルギーを要する仕事は先にやってしまったほうが、より多くの仕事をこなせます。

(村上 敬=文 相澤 正、久間昌史=撮影)