会津が誇る「伝統会津ソースカツ丼」には、店主の愛情がたっぷり!

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大正時代から人々に親しまれて、会津のガンコおやじがプライドを持ってその味を守り続けている。

会津のソウルフード「伝統会津ソースカツ丼」だ。

現在、「伝統会津ソースカツ丼の会」加盟店は23軒。

その1軒1軒、味に個性があり、比べて食べるのもこれまた一興(いっこう)だ。

一般的にカツ丼といえば、玉ねぎとカツをしょうゆで煮込み、その上に卵をからめたもの。

しかし会津のカツ丼は、その名の通りソースで味付けしたカツ丼だ。

誕生の経緯は定かでないそうだが、定義としては、「ほかほかのごはんの上にサクサクのキャベツを敷き、揚げたてのカツを店独自のソースで絡めた丼」となるよう。

そんな会津オリジナルのカツ丼に一家言ある飲食店数店が一致団結して、2004年に「伝統会津ソースカツ丼の会」を誕生させた。

ソースカツ丼誕生の経緯は、カフェ全盛期だった大正時代、洋食のコックが手軽なまかないとして考案したという説がある。

余った肉片を当時人気だったカツレット(今のカツレツ)にして、ウナギのかば焼きからヒントを得た甘めのソースで絡める。

それを食べやすいように、さっと丼に盛ったのが始まりではないかというのだ。

いまなお古い街並みを随所に残す会津若松に、なんとも似つかわしい説ではないか。

ところで、このレトロな街並みと相性ぴったりな、「ハイカラさん」という周遊バスをご存じだろうか? 市内観光の足として利用されているこのバスは、「伝統会津ソースカツ丼の会」加盟店23店舗のうち、15店舗の店にほど近い各バス停に停車する。

1日に数軒でも回れるというツワモノは、バスに乗って食べ歩きしてみてもいいかもしれない。

 しかし、ソースカツ丼はいずれもボリュームたっぷりで、中には、丼からはみ出るような大きなカツを揚げている店もある。

胃腸と相談しながらにすべし!同会の会長を務めている「なかじま」は、創業63年を数える老舗だ。

スパイシーでまろやかなキャベツソースカツ丼と、先代社長が考案したという、コクとうまみたっぷりのソースで煮込んだソースカツ丼。

“さすが老舗の逸品!”とうならされる味だ。

ちなみに、使用している肉は福島県鮫川村(さめがわむら)の銘柄豚「健育美味(けんいくびみ)豚」。

この豚はサツマイモを飼料として与えるなどして育てられており、深い味わいがあるだけでなく、ビタミンやオレイン酸などといった栄養分も豊富。

肉のもつ強い甘みが、ソースの酸味に見事にマッチしていている点も魅力である。

また、同じく創業60年以上の歴史をもつ「白孔雀食堂」のソースカツ丼は、丼からはみ出る大きなカツとやや甘みのあるソースが特徴。

どんぶりからのはみ出しっぷりには最初驚くこと必至だが、いざ箸を付けると、薄くたたかれていて、見た目からは想像できない食べやすさであることが分かるだろう。

お客に楽しく食事してほしいと願う店主の優しさがそこはかとなく感じられる。

いずれの店も会津っぽ(会津魂)の優しさとこだわりで、長い間、店独自の味や盛り付け法を貫いてきたことは間違いない。

ガンコな会津の料理人の心は、昔も今も変わらずに、この地に脈々と息づいているのだ。