「感情豊かに表現」で英語コミュニケーションがスムーズに - 安藤美姫インタビュー

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フィギュアスケートの安藤美姫さんが海外に拠点を移したのは2005年のこと。

最初は英語に苦手意識があり、海外生活にも抵抗があったそうですが、今では、記者会見も通訳なしで受け答えするまでに英語が上達し、むしろ、海外の方が過ごしやすいと言います。

そんな安藤さんに生きた英語を身につけるコツや、英語の魅力について伺いました。

■世界のトップスケーターとして英会話能力は必須――英語を勉強しようと思ったきっかけを教えてください。

2006年、ニコライ・モロゾフコーチに師事したときにすすめられたのがきっかけですね。

「会見で通訳をつけているのは日本人くらい。

世界で活躍するトップスケーターとして、英語くらいは話せないと恥ずかしい。

それに、視野を広げるという意味でも話せたほうがいい」と言われたんです。

その前の年に拠点をアメリカに移していたんですが、友達もいないし、英語も話せないし……、正直とても苦痛で、ホームシックにもなりました。

あのころは、レストランに行っても、いつも同じものばかり頼んでいましたね。

発音もうまくできないし、言っていることが通じなくて、恥ずかしかったり、悲しい思いをしたりしました。

でも、コーチに言われたことがきっかけで、生きた英語を友達から学ぶようになったんです。

2007年ごろからは、通訳なしで、海外メディアからの取材を一人で受けられるまでになりました。

当時は、「英語喋れてる」と思っていましたが、今振り返ると、一度頭の中で考えながら英単語を選んでいたので、つたなかったと思います。

2010年ごろからは、海外メディアからの取材でもスムーズに話せるようになっていました。

自分で当時のインタビューを見比べてみても、かなり上達したことが分かります。

英語が話せるようになったことで、海外での生活がとても楽しくなりました。

言葉の壁がなくなって、アメリカや海外の文化に触れられる機会が増えましたし、交流がなかった選手と仲良くなることもでき、視野が広がりましたね。

■英語では気持ちをストレートに表現することが大事――海外生活をして、日本との違いを感じたことを教えてください。

アメリカに行く前、日本では「安藤美姫がいる!」と注目されるけど、相手も遠慮がちに接してくるので、精神的に疲れてしまっていたと思います。

でも、アメリカだと、世界チャンピオンが来てくれてうれしい」とリスペクトしながらも、本当にフランクに話しかけてくれるので、気持ちが楽でした。

こんな感じで、欧米人は感情をストレートに表現します。

元々私も、日本人にしては感情を表に出す方だったのですが、アメリカのホームステイ先の方に「美姫、感情出して!」と言われたことがありました。

それまで、「どちらでもいいです」、「大丈夫です」といった曖昧な返事など、日本人特有のオブラートに包んだ表現で喋っていたのが、原因でした。

日本人のいいところではあると思うのですが、アメリカでは逆に相手を戸惑わせるようです。

また、日本人は悪い時は「もっとこうしてほしい」と注文を出すけど、いい時は何も言わないですよね。

私も、衣装を作ってもらって、気に入った時にあまり意見を言わないと、担当の方が「衣装が気に入らなかったのかな」と不安に思われたという経験があります。

そんな経験から、欧米では、「Yes」「No」をはっきり伝えないと信頼関係が築きにくいということを実感しました。

■感情やシチュエーションと言葉をリンクさせることが実用的な英語を身につけるコツ――相手に伝わる英語を話すコツを教えてください。

大事なことは、感情をそのまま表現することだと思います。