韓国のハンギョレ新聞は30日、日本が韓国製装甲車の輸入を進めていた報じ、韓国内で物議を醸している。

記事によると、日韓軍事協定が進められていた今年初め、日本は韓国製の上陸突撃装甲車(KAAV)の輸入を進めていたが、李明博大統領の竹島上陸後、米国製に変更されたのだという。装甲車は尖閣諸島に配備される予定だったとも報じた。

この問題に詳しい韓国政府関係者は「日本は一昨年中国との尖閣諸島問題以降、韓国海兵隊主力の上陸突撃装甲車の導入に関心を持ち、我々に販売の可否を打診していた」と明かした。

韓国製上陸装甲車が注目された背景には、去年の1月ロバート・ゲーツ米国務長官が国防予算削減の一貫で次期上陸装甲車(EFV)の開発を中止すると発表したからとされる。記事は、自衛隊が同機種を生産するサムスンテクウィンにも接触しており、「日本の防衛省関係者が会社に来て関連情報収集するなど、取り引き寸前だった」と関係者の証言を伝えている。

こうした背景には6月までに急速に進められていた日韓軍事協定と、日本政府による「武器輸出3原則」の緩和により、今後の韓国への武器輸出も念頭に置いた動きである可能性があるという。

こうした一連の流れから韓国政府や業界関係者らから「売らなくてよかった」という声がある一方、「ついこの前まで韓日軍事協定で何でも協力するような信号を送っていたのが、最近は前例のない葛藤を経ている」「李明博政府が何を考えているかわけがわからない」などの反応がみられたと伝えた。

記事のコメント欄には「独島上陸で挑発して、独島への攻撃武器も渡すつもりだったのか」「独島訪問を3年前から準備したという李大統領が、密約なみの軍事協定に武器取り引きまでやっていたというのか」「日本は金がかかっても武器は国産化する国だ。自衛隊が使う小銃の原価を知ったら驚くだろう。資料収集目的で少量買うだけ」など、記事の内容に疑問を呈する声が多くみられた。

また、「外交が即興的だから国民は不安になる。素人すぎる」「ヨーロッパの国はともに問題解決しているのに東アジアの国々はいがみあっているばかりでとても残念」と、日韓の緊張が高まっている現状に批判的な意見も寄せられた。

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韓国産装甲車買おうとした日本の変心 MB独島訪問以降米国産に変更(ハンギョレ新聞<韓国語>)