東京・国立競技場で30日、U−20女子ワールドカップ(W杯)の準々決勝が行われ、日本代表・ヤングなでしこが韓国を3―1で破り、初めて4強に進出した。この試合では、日本ファンの旭日旗による応援が行われるか注目が集まっていた。韓国の複数のメディアが報じた。

 韓国メディアは、「U−20女子日韓戦で、競技場に旭日昇天旗が登場 “波紋の予告”」「日韓戦で復活した日帝軍国主義の亡霊」などと題し、東京で行われた日韓による2012年のU−20女子W杯準々決勝で、日帝の残滓(ざんし)を象徴する要素が気兼ねなく登場したと伝えた。

 ある韓国メディアは、場内の旭日旗に注目し、選手の入場時に一瞬だけ現れた旭日旗は、前半8分に柴田華絵(浦和レッズ・20)の先制ゴールが入ると、再び姿を現わしたと説明。

 試合開始前には、場外に極右団体の車両も登場し、日章旗や天皇家を象徴する菊模様、刺激的な文句で飾った車両で凱旋し、大型拡声器から軍歌が鳴り響いていた。旭日旗を掲げたファンや極右団体にとって、日韓戦はサッカーではなく「戦争」だったと批判した。

 一方、29日には、韓国・民主統合党の安敏錫(アン・ミンソク)議員が、日本の旭日旗の競技場内への持ち込みと応援禁止を要求する決議案を発議した。安議員は「第2次世界大戦で日本軍が使用した旭日旗は、ドイツ・ナチスのハーケンクロイツと同様に軍国主義の象徴」であり、「競技場内への旭日旗の持ち込みや応援を禁止し、政府は国際オリンピック委員会(IOC)と国際サッカー連盟(FIFA)に積極的に抗議すべきだ」と主張した。

 この状況を知ったFIFAは、試合前日に両チーム選手団に対して、政治的宣伝文句や刺激的な行動を控えてほしいと要請をしたが、FIFAの言葉をあざ笑うかのように、日本の観客は堂々と旭日旗を掲げて応援を敢行したと伝えた。

 韓国のネットユーザーは「宣戦布告と同じだ」「FIFAは厳重な懲戒を下すべき」と怒りを隠さなかったと韓国内の反応を紹介。軍国主義を象徴する旭日旗で応援を繰り広げた日本に対し、FIFAが今後どのような措置をとるか関心が集まると指摘した。(編集担当:李信恵・山口幸治)

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