ラノベの最大手、電撃文庫の編集者さんにアレコレ話を聞いてみた!



さまざまな作品がアニメになり、また映画化されたりと、ここ数年非常に大きな盛り上がりを見せているライトノベル業界。そんなライトノベルを裏で支える編集者さんたちの世界は一体どうなっているのでしょうか?

今回は、ライトノベルのレーベルの最大手、株式会社アスキー・メディアワークスの電撃文庫編集部・湯浅さんと黒崎さんに、新人賞のウラ側やライトノベルの編集者のお仕事などを伺ってきました。



■エンターテインメント界最大規模の新人賞の応募総数は?



――電撃文庫さんといえば、やはりエンターテインメント界最大規模の新人賞である『電撃大賞』が有名ですが、応募作品はどれくらいの数が送られてくるのですか?



第19回では、小説部門・電撃小説大賞は6,078作の応募がありました。



――6,078作も送られてきているのですね!? ものすごい数ですよね?



そうなんです。もちろん、作品はきちんと読んで選考していますので、やはりすごい数なんだな、と実感します。



――応募数の推移というのはどうなっているのでしょうか?



本当にここ数年で一気に増えましたね。5年前の第14回は小説部門は2,943作の応募数でしたが、次の第15回は3,541作、第16回で4,602作と一気に増えまして、第19回は先ほど述べたとおり、6,078作もの作品を送っていただきました。



――5年前から考えるとほぼ倍の数字ですね。急激に応募数が増えてきた理由というのは、どんなことが考えられるのでしょうか?



受賞作家さんから良い作品が出る、それが注目されて応募が増える、その中からまた良い作品が出る、という非常に良いサイクルを生み出している事が、要因のひとつだと思います。また、電撃小説大賞では1次選考以上を通過した作品に関しては、選評をお送りしておりまして、これもかなり好評のようです。



――選評があるのはうれしいでしょうね。落選したとしても、編集者の方にきちんと自分の作品を評価してもらえた、という実感がわきますね。



あと弊社では『メディアワークス文庫』という、電撃文庫よりもちょっと大人向けの、一般文芸読者向け作品のレーベルも持っておりまして、電撃小説大賞の中にも第16回から『メディアワークス文庫賞』というものを設立しました。



――いま人気の『ビブリア古書堂の事件手帖』もメディアワークス文庫ですよね。



ええ、そうです。電撃小説大賞ではライトノベルも一般文芸読者向けの作品もあえて部門分けせずに募集していまして、そうした一般文芸読者向けの作品が数多く送られてくるようになったことも、応募数が増えた要因のひとつだと思います。



――なるほど。いままでラノベとは違う作品を執筆していた人などにもチャンスが出てきたわけなんですね。



■応募作品のトレンドは?



――6,000作以上もの応募があり、非常に盛り上がっている電撃小説大賞ですが、送られてくる作品の傾向と言いますか、内容はどういったものが多いのでしょうか?



ファンタジーでもラブコメでもやはり一定の数送られてきます。先ほど述べた一般文芸読者向けの作品の数は全体の2割〜3割ですが、ここ数年でかなり増えてきていますね。



――そうなんですね。応募作品のトレンドというのはありますか?



一応はやりというか、トレンドというものはありますね。電撃文庫の中で一番の累計発行部数を誇る『とある魔術の禁書目録』が出始めた時期などは『特殊な能力を持ったキャラクター同士が戦う』というファンタジー要素のあるアクション作品が非常にはやりましたが、現在では落ち着いてきているように思います。



――確かに数年前はそういった作品が非常に多かった気がしますね。現在はどういった内容の作品が多いのでしょうか?



あくまで個人的な意見ですけど、ゆるい日常を描く作品が多くなっているように思います。例えば部活モノであったりとか、なにげない生活を絡めたコメディーとか、そういった作品が応募作品の中でも増えてきている印象は受けますね。



――それがここ最近のはやりなのかもしれませんね。



■ラノベ編集者のお仕事は?



――ライトノベルの編集者の方はどんなお仕事をされているのでしょうか?



基本的には本を作る仕事が中心です。作家さんと話の内容について打ち合わせをしたり、イラストレーターさんと挿絵の話をしたりですね。画集や小説の単行本、作品ガイドブックなどが出るならその編集作業もありますし。



――ラノベの編集と言っても、一般的な編集者のお仕事と基本的には変わらないんですね。ラノベ編集者ならではのお仕事はありますか?



そうですね……。例えば自分の担当する作品がアニメになったりする場合は、やはりアニメのスタッフと話をしたり、アフレコ現場に行ったりしますね。作家さんとストーリーを一緒に作り上げる事なども含めて、電撃文庫の編集というのは一般文芸よりもマンガの編集者に近いのかなと思います。



――マンガもライトノベルもよくアニメになりますし、仕事の内容としては似ているのかもしれませんね。



あとはひたすら読むのが仕事です。担当している作家さんの原稿もそうですし、電撃大賞の応募作品も非常に多いですから、とにかく読むのが大事ですね。



――6,000作以上もの応募がありますし、大変でしょうね。現在募集中の第20回と節目の開催となる訳ですし、応募総数はさらに増えそうですね。



そうですね。第20回ということで副賞の賞金額もアップしていますし、20回記念特別賞や学生を対象にした『電撃学校大賞』というものも第20回限定で設立していますので、かなりの応募数が見込まれるのでは、と思います。



――そうなるとますます読まないといけなくなりますね(笑)。



でもたくさんの幅広い応募があるおかげで、良い作品を出すことができる訳ですからね。本当に感謝です。



――まさにうれしい悲鳴ですね!





大きな成長を遂げている業界だけに、編集者さんのお仕事も並大抵のものではないようです。特に新人賞の選考は、2次選考作以上についてはすべての作品に目を通していらっしゃるとのことで、私だったら1日で音を上げてしまうかもしれません(笑)。



今後も、作家さんの努力と編集者さんのかじ取りによって、魅力的なライトノベルが生み出されることを期待したいですね!



(貫井康徳@dcp)







▼『電撃大賞』リンク先

http://asciimw.jp/award/taisyo/





▼『電撃学校大賞』リンク先

http://asciimw.jp/award/taisyo/school_top.html