イー・モバイル利用者向けポータルサイトを企画。情報発信の場をつくる

WOMAN’S CAREER Vol.92

イー・アクセス株式会社 佐藤博子さん

【活躍する女性社員】新卒1期生として入社し、現在はワーキングマザーとして活躍する佐藤さん


■今、そしてこれから子育てに取り組む女性社員のためにも、長く働き続けたい

モバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi」をはじめ、スマートフォン、携帯電話、ADSLサービスなどを展開するイー・アクセス。1999年に設立された同社に佐藤さんは新卒1期生として入社。男性と同じように働きたいという思いから営業を希望し、希望通り営業部門に配属された。

担当したのは家電量販店の営業。当時はまだADSL回線の販売が始まって間もなく、販売チャネルはインターネットが中心。そこで、新たなチャネルとして家電量販店に販売窓口を立ち上げるべく、佐藤さんたちは奔走した。
「ADSLもイー・アクセスという社名もまだ認知されていない時代だったので、まずはそこから説明を始め、店頭での取り扱いをお願いして回りました。心がけたのは、物怖じしないことと、できるだけお店に通って担当の方とコミュニケーションをとり、信頼関係を築くこと。日ごろから店舗や販売スタッフとの信頼関係ができていれば当社のサービスを勧めてもらえるので、本部のバイヤーさんや店舗のマネージャーさんのみならず、店舗のスタッフの方々にまで伝えるべき情報をきちんと伝え、クレームや困ったことはすべて連絡をもらってすぐに対応するようにしました」

その結果、異動するまでの4年間に担当した店頭キャンペーンのほとんどで目標を上回る結果に。「4年間で学んだことはすごく役に立っている」と佐藤さんは振り返る。
「今も心がけている上司からの言葉があります。例えば、『店頭キャンペーンの成功要因は、準備が8割、当日が2割だ』。日ごろの店舗や販売スタッフとのコミュニケーションや、事前の十分な準備があってこそ当日結果を出せるということを教わりました。また、『“できない”と言うな。どうすればできるか考えろ』『“ここは自分、それ以外は知らない”とは絶対に言うな』という言葉から少人数・低予算の中社員が一丸となって事業を拡大していくための心構えを学びました」

5年目に商品企画部門に異動となり、モバイルデータ通信・音声通話サービスへの参入に向けたデータカードや携帯電話などの商品企画に携わることに。チームメンバー6人の中で未経験者は佐藤さんだけ。ゼロから学びながらできることに取り組んだ。

7年目に端末開発部門に移ってからは、プロジェクトマネージャーとして5機種の開発を担当。思い出深いのは、初めて主担当として携わった台湾・HTC社製のスマートフォン「Touch Diamond(S21HT)」。仕様、評価、品質管理の各担当と8人のプロジェクトチームを組み、HTC社やOSを提供するマイクロソフト社とともに開発を進めた。
「納期に遅延しないよう進捗を管理するのがプロジェクトマネージャーの役割ですが、初めてでわからないことだらけ。とはいえ、そうは言えないので、その場で判断できないことはすべてメモにとり、わかる人に聞いて判断するようにしました。心がけたのは、全体を見て判断していくこと。各担当者は自分の担当範囲のことにだけ目が向きがちなので、何かあれば私がすぐに調整に動き、関係者を動かすようにしていました。例えば何千項目と評価を行う過程で少しでもおかしな動作が発見されれば、マイクロソフト社の仕様によるものなのか、HTC社の設計に問題があるのかを両社に確認して一つずつつぶしたり、遅延が発生してもリカバリー可能なのかどうかすぐに確認したり。全体の進捗状況が見えている私が『絶対に遅延させない』という信念で取り組まなければという思いでした」

その結果、予定より1週間早い日程でメーカーでの生産が完了。無事に納品されてようやくほっとできたという。また、開発をけん引していく中では、営業時代の経験が生かされたそうだ。
「家電量販店でさまざまな年齢・立場の方とコミュニケーションをとっていた経験は大きかったですね。プロジェクトマネジメントで大切なのは、いかにメーカーと良い関係を作って開発を進めていくか。私たちはメーカーに対してものを言う立場にあるため、メーカーが自発的に連絡してくるのは遅延など何か困ったときのみ。さらに、相手は30〜40代の男性が多いため、20代の女性である私から催促されたり叱られたりするのは気持ちのよいことではありません。だからこそ、日ごろからメールではなく電話でこまめにコミュニケーションをとるとともに、ネガティブな情報を得ても冷静に対処し、改善要望やクレームを伝えるときは言い方に気をつけるか、男性の上司にお願いするようにしていました」

その後11年目に現部署に異動し、スマートフォン・携帯電話向け自社ポータルサイト「EMホーム」の企画・運営担当に。利用者向けのサポート情報のみを提供していたAndroid用サイトにアプリ購入やオンラインショッピングのための導線を加えて手数料収入を得る仕組みを導入するなど、利用者とのコミュニケーションの活性化と収益を得られる仕組みづくりを目指している。これまでに経験のない仕事で、今回も学びながらのスタートだ。
「新しいことをやるのは嫌いじゃないですし、これまでと同様、ゼロから始まるのであとはプラスになるだけ。取り組みの結果が形に残ることもモチベーションを高めてくれています。自分のキャリアを振り返ると、未経験の仕事しかしていませんが、そこに『“できない”と言うな』という営業時代の上司からのアドバイスが生きています。わからないなりにどうするか考え、周りの人に手伝ってもらえたからこそ、ここまでやってこられました。当社のサービスも軌道に乗っているものが増えているため、今後は従来の業務を引き継ぐことも多くなってくると思いますが、それでもLTEやEMホームなど、新しいビジネスチャンスを見つけて事業を立ち上げていくことができるのが当社で働く面白さだと思います」

プライベートでは8年目の2008年に結婚。09年8月から約1年、産前産後休暇・育児休暇を取得した。現在は育児短時間勤務をしているが、出産の前と後で仕事に対する意識が変化したという。
「出産するまでは自分の仕事に対する評価は私一人のものだと思っていましたが、今はそうではなく、ほかの女性社員にも影響することを強く意識しています。というのは、『子持ち社員』である私が頻繁に休んだり、適当な仕事をしたりしていると、例えば1000人のうち1人や2人は『これだから子持ち社員は』と思う人が出てくると思うんです。そうならないように、環境が許す限り長く働いて会社に貢献していきたいですね」