全国で広がりを見せるシェアハウスの人気。ネットで検索するだけでも、すぐに様々なタイプのシェアハウスを見つけることができます。シェアハウスの魅力はなんといっても、初期投資の少なさ。礼金・敷金を最小限におさえることが可能で、多くの場合、家電・家具はあらかじめ備え付けてあります。風呂、トイレは共同利用のため、光熱費などの維持費も少ないのも魅力的。

 また、最近では「料理」や「美容」「インテリア」といった、同じ目的を持った人たちが集まるシェアハウスが人気を集めており、同じ道を進む者同士が抱える悩みの相談だけでなく、ビジネスチャンスに変わることもあるそうです。

 そんなシェア型のライフスタイルの広がりの背景には「シングル化」があると、書籍『第四の消費』で紹介されています。国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、1990年生まれの女性の「生涯未婚率」は23.5%にまで増加するというのです(生涯未婚率とは、ごく簡単に言えば50歳時点での未婚率)。

 また、1955年生まれの女性の場合、離婚経験率は、50歳時点で18.4%でした。しかし、1970年生まれでは、35歳の時点ですでに離婚経験率が18%を超えているのです。この趨勢が続くと、1990年生まれの女性が50歳になる時点で、36%の人が離婚を経験していると予測することができます。

 つまり、1990年生まれの女性は、50歳の時点で23.5%が未婚で、残り76.5%のうち36%、つまり全体の27.5%が離別。合計51%が単身者なり、シングルマザーになるというのです。

 この数字を考えると、シェア型のライフスタイルは、いわばセーフティーネットとしての機能を果たすと言えるのではないでしょうか。

 「防犯、防災という意味でのセキュリティではなく、人生全体の保障という意味でのセキュリティとして、シェア型のライフスタイルが必要になるであろう」と同書ではまとめています。

 また、男性も無視できない問題があります。それは、パラサイト・シングルの高齢化です。1990年には、8.1%しかいなかった35〜44歳の男性のパラサイト・シングル率は、2010年には19.9%に、女性は同じく、3.3%から12.2%に増えているのです。30年後、親が亡くなって70歳前後になった時、大量の単身者が発生することは安易に想像ができます。

 こういった「シングル」の問題が浮き彫りになりつつある今、ライフスタイルをシェア型にシフトしていくことも必要なのではないでしょうか。幸運なことに、日本人の消費価値がシェア型に移ってきているタイミングです。この流れにうまく乗ることも、今後の生き方にとって大切なことなのではないでしょうか。



『第四の消費 つながりを生み出す社会へ (朝日新書)』
 著者:三浦 展
 出版社:朝日新聞出版
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