サッカー・なでしこや卓球女子団体、入江陵介、三宅宏実......、彼らの共通点は、ロンドンオリンピックで銀メダルを獲得した選手たち。最後に敗れはしたものの、競技中の姿は忘れることができません。それでは、吉田沙保里や村田諒太、米満達弘らに決勝戦で敗れた他国の銀メダリストの名前を覚えていますか?

 なかなかパッとは出てこない2位の選手ですが、そんな"2位"を知ることの重要性を教えてくれるのが、「すべての人があたらしい思考法をインストールし、簡単に頭脳をアップデートできる画期的な本」と紹介される下東史明氏の書籍『あたまの地図帳』です。

 例えば、ワインの生産量1位の国。これは多くの人が「フランス」とすぐに答えることができると思います。しかし、2位はどこの国でしょう。イタリア、スペイン、アメリカ、チリ......。知っているようで難しい問題です。正解は、イタリア(2011年見込み)。3位がスペインというのも意外ではないでしょうか。

 次に、国別人口。1位はご存知のとおり中国です。では、2位はどこでしょう。アメリカ、ロシア、インド、オーストラリア......。どこも大国であり、領土も広大。どれも2位といえば2位っぽい。そんな国別人口の2位は、インドです。

 では、国土面積はいかがでしょう。1位はロシア。これは地図を広げなくてもわかるでしょう。それでは2位は? 中国、カナダ、アメリカ。ちなみのロシアの陸地の割合は世界の11.5%になるそうです。中国は6.4〜6.5%、アメリカは、6.5%、そして、カナダが6.7%。つまり、カナダが2番目に大きな国と言えるのです。

 ロシアとカナダの割合を見比べたところ、ロシアの大きさがわかるのではないでしょうか。「2位を知ることで、首位の持つスケールの大きさを改めて実感したり、首位の地位の揺らぎやすさを再確認してみたり...2位を知ったからには、3位のものが何か知りたくなったり......」と下東氏は、2位を知ることのメリットを唱えます。2位を知ることは、新しい視界を獲得する機会にもなるのです。

 それでは、国内も見てみましょう。最も高い山は富士山。では、2番目は3,193 mの北岳(山梨県・南アルプス市)になります。このことを知らなかった下東氏は、「知らないこと、そればかりか、興味さえ向けていなかったことを思い知らせてくれるのが2位の視点」と言います。

 国内の鉄道営業キロ数はどうでしょう。1位はJRです。では、2位はといいますと、これは、大阪・奈良・京都・三重・愛知にまたがる近鉄がランクインします。

 ジェットコースターの速度だと、1位は富士急ハイランドのドドンパで時速172km。そして、ナガシマスパーランドのスチールドラゴン2000が153kmで2位です。

 やはり2位は、なかなか答えることができなかったのではないでしょうか。改めて2位の知名度の低さを痛感します。しかし、下東氏は、2位を知ることで、各分野に詳しい人と、話をしやすくするといった効果があると言います。

 「例えば山の標高。僕が2位の山を知っている、知っていない、では山好きの人間と会話が弾むかどうかを左右するかもしれない。詳しい人からすると、こちらが2位を知っているだけで、おっ、マニアでもないのに、ちゃんとわかっているね!ちょっとは興味あったりするんだね、と思ってもらえる(かもしれない)。けれど、1位しか知らなければ、まあ普通、あくまで素人として扱われます」

 オリンピックを観戦することで興味をもった競技がいくつかあると思いますが、もし、詳しい人と話す機会があれば、日本人選手以外の情報を集めておくと、会話がより深くなるのではないでしょうか。



『あたまの地図帳: 地図上の発想トレーニング19題』
 著者:下東 史明
 出版社:朝日出版社
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