選手権を連覇した田中姿子(左)と溝江明香(右)。田中は「さやかの強いサーブと私のヘナチョコサーブが効いた!(笑)」
 大阪府岬町のせんなん里海公園で、今年の女子日本一を決める全日本ビーチバレー女子選手権が開催された。都道府県代表を含む41チームが予選から戦い、最終日の26日は準決勝、決勝が行われた。

 決勝は2年連続、同じカード。出場は叶わなかったがロンドン五輪予選を戦った田中姿子(フリー)・溝江明香(産能大)組と、地元大阪出身の金田洋世・村上めぐみ組(三井企画(株)上越マリンブリーズ)の対戦。

 実力チームを次々破り、久々に上位に進出した金田・村上組だったが、先週から好調さを維持する田中・溝江組にあえなくストレートで敗退。田中・溝江組は昨年に続き連覇を果たした。

 3位には浦田聖子(千の花)・西堀健実(丸善食品工業)組が入った。

 2年連続の女王の座。先週のビーチバレージャパンに続き2週連続優勝。田中・溝江組がようやく戻ってきた。

 昨年、一昨年の総合チャンピオンながら、今季はいまだ国内ツアー未勝利。日本代表としてオリンピック出場権を取るべく戦ってきたが、今年に入り調子を落とした。ワールドツアーでポイントが取れず、6月に行われたアジア最終予選でも調子が上がらないまま敗れ、ロンドン行きのチケットをつかみ取ることができなかった。

 「結果が出ず足踏みをして、前に進んでいなかった」(田中)とアジア予選後に語ったように、実力をすべて出せなかった悔しさと長年の目標を失いモチベーションを保つのが難しかったこの夏だったが、先週からコンディション、プレイの質、コンビネーションは上がっていた。

 優勝をかけた相手は金田・村上組。こちらも今シーズンは結果が出ていなかったが、今大会は好調。持ち前の粘りと臨機応変な戦術で決勝まで上がってきた。

 序盤は一進一退だったが、徐々に田中・溝江の攻撃力が勝ってくる。「リスクはあったがサーブで攻められた」(田中)と溝江のライン際へのサーブ、田中のコート奥へのサーブなど相手を揺さぶると、金田・村上組は防戦一方に。

 田中にボールを集め、ワンブロックシステムへ変更、レシーブポジションの交替など、準決勝まで成功してきた策を金田・村上組は次々と講じるが、溝江はお構いなしに強打を打ち込んだ。

 第1セットを取り、第2セットは金田・村上組が追い上げたが、「狙われていない時も準備がしっかりできていて、集中力が切れずにできた」(溝江)と自信を持つ攻撃力で隙を見せず、粘りのチームを退けた。

 先週の優勝はアマチュアチームにフルセットでの辛勝。溝江は勝ちながらも「情けない試合をしてしまった」と話した。今大会の準決勝、尾崎睦(湘南ベルマーレ)・草野歩(フリー)戦も相手に先にマッチポイントを取られる展開。「負けゲームだった」と言う。

 しかし「準決勝の(マッチポイントを取られた)第2セットを取り、3セット目を集中した。その集中力が決勝に繋がった」(田中)とようやく納得の勝ち方で優勝トロフィを手にした。

 ビーチバレーも他のスポーツと同様、プレイがメンタリティに影響される部分は大きい。4年の大きな区切りであるオリンピックが終わったが、今シーズンはツアー4大会を含めまだ残っている。選手が後半戦をどのようなモチベーションで戦うのか。それも見どころのひとつである。

結果は次の通り
□ 準決勝
田中/溝江 2(16-21,26-24,15-10)1 尾崎/草野
金田/村上 2(21-20,21-18)0 浦田/西堀
□ 3位決定戦
浦田/西堀 2(21-14,21-19)0 尾崎/草野
□女子決勝
田中/溝江 2(21-16,21-18)0 金田/村上

(取材・文=小崎仁久)

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