李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島上陸や天皇陛下への謝罪要求発言を受け、日韓外交が激しく衝突している。日本政府は半世紀ぶりに竹島領有権問題の国際司法裁判所への提訴に動き、衆院では李大統領の竹島上陸と謝罪要求発言に抗議する決議を採択した。

このような日本政府の強硬姿勢について、韓国側は反発するものの少し戸惑いもあるようだ。特に、前原誠司民主党政調会長による李大統領に対する批判は、意外性をもって伝えられた。前原氏は、民主党の議員連盟である「戦略的な日韓関係を築く議員の会」の代表で、韓国を度々訪問しては両国の友好関係構築のために尽力してきた。

そのため、前原氏が19日、テレビ朝日の番組で、「(李大統領の発言は)非礼極まりない。大統領の任期の間、日韓関係を好転させるのは難しいのではないか」と述べ、日韓通貨スワップ協定についても見直す可能性があるとの考えを示したことは、韓国側にとっては驚きだった。

韓国紙ソウル新聞は、前原氏をはじめとする代表的な“親韓派”議員まで韓国叩きを展開しているとし、その理由として「韓国に対する失望感」があるようだと報じた。

25日付「親韓派議員“韓国叩き”なぜ」の記事は、前原氏の側近による発言を紹介。「中国を意識した側面もあるが、韓国に歴史問題を譲歩するなどこれまで誠意を示したきたのに、李大統領があそこまで酷い行動をするとは思わなかった」「特に天皇陛下に対する謝罪要求は、韓国に友好的だった民主党内の親韓勢力の反発まで招いた」と話したと伝えた。

だが、韓国にとって日本の“親韓派”勢力は、韓国がダメージを回避するために必要となる存在だ。韓国内には、竹島の国際司法裁判所への提訴は止められなかったものの、通貨スワップの縮小や国連非常任理事国進出の阻止など、日本政府による韓国への新たな報復措置を防ぐためには親韓派議員の力が必要だという声があるという。どうやら、韓国側は前原氏たちが日韓の“仲裁役”として活躍してくれることを願っているようだ。

参照:ソウル新聞
参照:朝鮮日報

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