経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊 (23) 子育てが終わらない! 世界に広がる「30歳成人」現象 - 小島貴子さんに聞く

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経済キャスターの鈴木ともみです。

今回は、キャリアカウンセラーとして第一線で活躍されている小島貴子さんと「ひきこもり」問題の第一人者として活動されている精神科医・医学博士の斉藤環さんお二人の共著『子育てが終わらない「30歳成人」時代の家族論』をご紹介します。

対談のゲストは著者のお一人、東洋大学理工学部准教授・グローバルキャリア教育センター副センター長の小島貴子さんです。

人生のステージは時の流れと共に変わっていくものです。

学生から社会人へ、結婚して夫婦、父親、母親へ…とその役割も変化していきます。

そのことをうまく理解できないと、自分自身や人間関係のメンテナンスにも悪影響を及ぼすことになります。

同書は親子・家族関係の構築についてはもちろん、会社の上司と部下の関係、恋人や友人との関係etc…様々な関係構築への第一歩を踏み出すきっかけになる一冊と言えるかもしれません。

鈴木 : 『子育てが終わらない「30歳成人」時代の家族論』は、キャリアカウンセラーの小島先生と精神科医の斉藤先生による対談形式で、とても読みやすい構成となっていますね。

小島 : ありがとうございます。

カルチャーセンターで対談させていただいたのですが、対談を聴きたいという参加者も多く、やはり関心の高いテーマなのだと実感しました。

鈴木 : 小島先生はキャリアカウンセラーとして、これまで行政や教育の現場で様々な就労支援をされてきていますね。

小島 : はい。

早いもので20年が過ぎました。

鈴木 : 就労支援の第一人者として活躍されてきた小島先生が子育てに着目して本を出版されたというのはどうしてなのでしょうか?小島 : 就労支援というのは、単純に仕事を求める求職者と求人をマッチさせれば完結する話ではありません。

仕事がみつからない背景には、表に出てこない問題が数多くあるのです。

人間関係がうまくいかずに仕事から離れていく人たちや、家庭や自身の状況をうまく整理することができずに社会に出ていくことができない人たち、不登校からそのままひきこもり状態になってしまった人たちもいます。

そもそも子どもの成長期には重要な転機がいくつも存在します。

そこを注視しながら親子関係を構築し見直していくことの大切さを伝え、家族のサポートをしながら就労支援をしていくのが日本のキャリアカウンセラーの仕事だと言えます。

そう考えていくと、やはり就労支援と家族論との間には、深い関係性があるわけです。

鈴木 : なるほど。

副題にある『「30歳成人」時代の家族論』というタイトルには、今の時代だからこそ伝えるべき重要なメッセージが込められているわけですね。

「30歳成人」という表現ですが、先生は、現代社会において「精神年齢は7掛け」という説を唱えてらっしゃいます。

小島 : はい。

その計算によれば30歳は21歳になりますね。

そもそも20歳を成人とみなすのであれば、今の時代、成人する年齢は30歳くらいがちょうどよいのではないかと思います。

その点について、斉藤先生も同じ見解です。

鈴木 : 確かに、私も就職して3年くらいたった頃に、生意気にも「私は仕事がデキる!」といった万能感に浸った時期がありました(笑)。

でも、そんな万能感もミスや失敗を重ねるうちに覆され、その万能感から卒業できたのは、やはり5、6年目だった気がします。

その時点でやっと自立の準備ができました。

小島 : 私は『27歳からの就職術』(インデックスコミュニケーションズ)という本も書いてるのですが、タイトルに「27歳」という年齢を出したのは、その年齢が人生設計を今一度考え直す時期にあたるからでした。

転職を考えたり、結婚や出産、親の定年退職など、様々な外からのショックが押し寄せるのがこの時期です。